大嫌いって言わないで３

いいですか？編１ ページ43

比与太｢Aちゃん！お疲れさまっ｣


今日も今日とてAさんの会社の前でお利口に待っている比与太


｢おつかれさーん｣

比与太｢Aちゃん？今夜はうちでお好み焼きしようと思ってるんだけど・・・｣

｢あぁ！スキスキ！お好み焼き！｣

比与太｢じゃあ、行こっか！｣

｢うんっ｣


とても仲良くやっている比与太とAさん


ここ最近じゃ必ず比与太がAさんの手を繋いで一緒に並んで歩いています。


比与太｢Aちゃん？この間の漫画どうだった？｣

｢面白かった〜！買って良かった〜♪｣

比与太｢でもそんなにいつも漫画買ってたら家に漫画ばっかりにならない？｣

｢泣く泣く売ってるからまだ本棚に余裕ある｣

比与太｢そうなんだぁ(笑)｣


そうなのです

比与太はAさんの部屋にもまだ行ったことはないのです。


かくして、二人でスーパーに立ち寄ると

好きな具材を選び始めました。


｢めんたいこは？｣

比与太｢いいね！イカとかどう？｣

｢うんうん｣


比与太が買い物カートを転がし、Aさんは比与太にぎゅっと握られた手を引かれて歩く。


『ねぇ！あの人かっこよくない？』
『めっちゃイケメン♪』


隣にAさんがいるのにも関わらず

そんな風に見ず知らずの人から噂されることも少なからず。


そんなことがあるごとに、Aさんも柄にもなく居たたまれなさを感じたりしていました。


比与太｢Aちゃん？今日はビール？｣

｢・・・えっ？あぁ〜そうだね｣


買い物袋をぶら下げて歩く比与太の片方の手は

相変わらすAさんの手をぎゅっと握っています。


｢比与太？｣

比与太｢うん？なぁに？｣

｢重くない？買い物｣

比与太｢大丈夫！｣

｢・・・買い物カート押してるときくらい、手はなせばいいのに(笑)｣

比与太｢なんで？手、繋ぎたいんだもん｣

｢ずっと繋いでるのに？｣

比与太｢うん。ずっと繋いでたいの、Aちゃんと｣

｢ふぅ〜ん・・・｣

比与太｢っふ(笑)｣


こんなAさんですが、結構嬉しく感じています。


気持ちが繋がっていると感じる度

比与太に大事にされていると思えるからです。


そんなこんなで比与太の家に着いた二人


今夜もワイワイとご飯の用意を始めました。


『いっただっきまぁ〜す！』


とっても美味しいお好み焼きを二人でハフハフしながら頬張っています。


｢せっかく体重減ってきたのにまた太りそう｣

比与太｢そしたらまたゲームしようよ！｣

｢うん(笑)｣

・・・２→←男と女編

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す