EP7 ページ7
スウォンとAは部屋を移した。
席につくと暫く沈黙し、話し始めた
ス「…どこから話しま『全てだ』…」
『私には全てを知る権利がある。王族として、娘として。違うか?』
ス「そうですね…それでは、事の始まりから…」
〜〜〜
それからどのくらい時間が経っただろう
思えば、国の現状や未来について、スウォンと真剣に対話するのは初めてだった。
勉強する時も、稽古する時もその瞬間に一生懸命で
長く同じ時を過ごしていたのに、深く話すことはなかった気がする。
もっと早くに話していれば、スウォンにこんな辛い思いをさせなくて済んだかもしれない
…なんて、たらればを言ったところで起こったことは変わらないな
『…話はわかった。私も父上の政に対し、不満がなかったわけではない。お前の言い分も理解できる』
ス「そう…ですか…」
『だが、本当に父上を弑虐するということが最善策だったのか?』
ス「…強行策だったことは認めます。ですが、イル陛下のお気持ちが変わるのを待っていては手遅れになる。そう判断したので実行しました」
私の目をまっすぐ見つめて、そう言い切った
『…そうか』
ス「私には時間がない」ボソッ
『ん?何か言ったか?』
ス「いえ、何も。Aはどうしますか?」
こいつの腹は決まっている
あれは覚悟を決めた者の目だった
何の力もない前王の娘など、争いの種にしかならんだろう
…潮時か
『そうだな、お前になら安心してこの国を任せられる。素晴らしい国を作っていくんだろうな。いい土産をもらったよ、私はここで身を引こう。その代わり、ヨナの命を救ってやってくれ。あの子にはハクがついてるから、このまま上手く逃げきるだろう。王位継承権は剥奪して構わないから、これ以上深追いせず、王宮からの追放で手を打ってもらえないか?』
Aはいつもそうだ
自分のことは後回しにして、いつも周りを優先させる
その姿に焦がれてきた
…私はこの想いを
ス「…A、私につきませんか?」
『は?』
ス「それならばヨナもハクも、これ以上深追いしません。共に新しい高華を作りませんか」
『はっ。どうした?らしくない愚策だと思うぞスウォン。たった今言った自分の言葉を取り下げたいくらいだ』
ス「もちろん条件付きです」
『…そこまでして生かしておきたい意味がわからぬが、一応聞いておこうか、その条件とやらを』
捨てられない…
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クロウサ(プロフ) - 初めまして。暁のヨナの小説が、読めるなんて嬉しいです。あのリクエスト何ですが、暁のヨナの原作沿いでヨナの成り変わり小説とかって書いたり出来ますか? (8月31日 0時) (レス) id: 004a3e734e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せつな | 作成日時:2023年5月31日 6時