18話 一寸光陰 ページ19
No side
焦っているAに焦れったくなり少し苛立ちを含んだ声でチョロ松は言った
「僕だって男だし、持ち上げられ無いわけないじゃん」
その言葉にAは少し照れたような素振りを見せ、ゆっくりとチョロ松の肩に手をかけた
「つ、潰れませんか？」
「余裕」
緑のパーカーはAに貸しているので、グレーのパーカーを着ているチョロ松
ここは赤塚区、Aの住んでいる場所までは徒歩だと10分以上はかかる
そのことを知ってか知らずかAは
「途中で休憩は挟みましょうね！？」
チョロ松の耳元で予想以上の声で言われて、少しの間チョロ松の耳の中で耳鳴りみたいに響いた
「別に大丈夫、それよりご飯食べてる？」
チョロ松は不思議に思った
約160cmはある身長に対して、少し軽すぎないかと
「食べてますよ」
少し声は小さくなったが、Aはしっかりと答えた
無駄な心配は掛けられないと
実際のところ朝食を抜かす時もあるし、夕食は少し、昼食もおにぎり一つなどで歳にそぐわないご飯の少なさだ
だから、血が足りていないし、病気になりかねない食生活だ
「ふぅん……まぁこれからは家族みたいなもんだし
遠慮しなくていいよ」
「か！ 族？！」
チョロ松がいきなり言った爆弾発言にAは言葉が大きくなったけど、今は早朝、周りのことを考えて語尾は小さくした
そしてまたチョロ松の耳の中でAの声が響いた
「うん、だから別に……な、名前も呼び捨てでいいよ……」
好きという感情はないが、年下相手に恥ずかしがってしまった
チョロ松はここまで童貞をこじらせた事を後悔した
年上らしくリード出来たらなぁ……と思ったそう
「へぇ……」
あまり興味の無いような声に聞こえたが、Aは内心嬉しかった
受け入れてくれた感じがしたからだ
その後、雑談などを交わしていた
「あ、あれですあれ」
「知ってるよ」
チョロ松の背中越しで自分のアパートを指さして子供のように騒ぐ
チョロ松はその保護者のように冷淡に返す
そして、ドアは閉まっているのでベランダまで送ってもらう
「ありがとうございました！ 気をつけて帰ってくださいね？」
「うん、また迎えに来るから」
勢いよく頭を下げるA
その後、帰っていくチョロ松の背中をベランダから見えなくなるまで見送りながら、中へ戻る
「……行かなくちゃ」
時間が早いと思ったのならば
その時間は自分にとって大切なものだったのだろう
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菜薇秦(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます！趣旨ブレブレですが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m (2017年5月9日 23時) (
レス) id: 5f0809ce12 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 更新楽しみにしてます! (2017年5月9日 22時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
菜薇秦(プロフ) - にんじんさん» はい！めっちゃ楽しみです〜(´∀`) (2017年4月9日 20時) (レス) id: 5f0809ce12 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - 二期楽しみですね (2017年4月9日 18時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
菜薇秦(プロフ) - あ ん 二 ンさん» ありがとうございます！その言葉が私の更新の励みになります(^ ^) (2017年3月21日 0時) (レス) id: 5f0809ce12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜薇秦 | 作成日時：2017年3月3日 21時
