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やっと長い一日が終わった
理事の人たちは、やっと解放されたとでもいうかのようにそそくさと帰ってた
暫くしたら、院長のお小言があるやろうけどどうでもええ
最後の第一水曜日が終わった、その事に浸っていたかった
廊下の窓から帰ってゆく人々を眺める
暖かそうなコートをスーツの上に羽織って、いかにも高そうな車に乗って自分の家に帰っていく
周りの家には、優しい明かりが灯っていて皆笑顔で帰ってゆく
羨ましい、何回思ったことだろう
普通と呼ばれる生活を何回望んだことだろう
家族の暖かさをどれだけ望んだことだろう
無い物ねだりはいくつになっても止まらない
「ゾム！呼ばれてるよ！」
突如として現実に引き戻される
『ん、分かった ありがとうな』
そういい、院長室へむかう
一日はまだ終わらへんみたいやな
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作者名：お湯飲み場 | 作成日時：2021年3月25日 18時
