【Dグレ】 オレ/俺の幼馴染みはド短気！

第35夜　アレンの覚醒 ページ39

ア「…大事なものは、昔なくした」


貴「!?」


そう聞いたとき、オレは思った。


アレンも闇を抱えているのか、と。


ア「可哀想とか、そんな綺麗な理由、あんま持ってないよ。
　 僕はちっぽけな人間だから、大きい世界より目の前の事に心が向く。

　 だから、守れるなら守りたい!!」


その言葉に、全員が驚く。


と、その時。


ﾗﾗ･グ「うﾞっ！」


何かが二人を貫いた。


そして、そのまま砂の中へ引きずり込まれた。


アレンが手を伸ばすも、届かず、空(くう)を切った。


貴「来たか…!」


ドォォォオン!!


派手な音を立てて、砂の中から現れたｱｸﾏ。


ｱｸﾏ「ｲﾉｾﾝｽもーらい♪」


その手には、ﾗﾗの心臓となっているｲﾉｾﾝｽが握られていた。


ドサッ


ｱｸﾏはﾗﾗとｸﾞｿﾞﾙを投げ捨てる。


グ「ﾗﾗ…ﾗﾗ…!」


必死にﾗﾗの方へ手を伸ばすｸﾞｿﾞﾙ。


ア「!!(こんなのって…!)」


アレンはスッと立ち上がり、アクマの前へと出る。


ア「返せ…。そのｲﾉｾﾝｽ、返せ!!」


そう言うアレンの左腕は、不気味な気を放ち、左眼は赤く光っていた――。

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