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ハンバーグは二宮くんの好物だ。
何度も何度も作ってる内に、私の得意料理にもなった。
いつものようにハンバーグを完成させると、彼は潤さんに貰ったシャンパンボトルを右手に、グラス二つを左手の指に挟んで微笑んだ。
「屋上で食べようよ」
「あっ、いいね！お誕生日っぽい！」
「それはよく分かんないけど」
ケラっと笑った二宮くんと一緒に部屋を出て、2人の屋上へ。
木箱を二つ並べてテーブルにして、その上にハンバーグとシャンパンを置いて。
「二宮くん、お誕生日おめでとう！」
「ありがとね」
グラスをカツンと合わせて乾杯。
「美味しい！」
「さすが潤くん、お酒のセンスまで良いんだな」
二宮くんが感心したようにグラスの中のシャンパンをマジマジと見てる。
空を見上げると、空気が澄んでるのかチラチラと星が見えた。
「オリオン座見えないねー」
「また寒くなったら出て来るよ」
「ちゃんとベテルギウスも連れて来てくれるかな」
「あー、だなー。オリオン座、形変わってなかったら良いな」
二宮くんが、ハンバーグを食べて「うま」って呟く。
「もっと大きな声で言ってくれても良いんだよ？」
「あんまり調子に乗せない方が良いタイプだから、Aは」
「うっそ、褒められて伸びるタイプだと自負してるんだけど」
「褒めたらそこで満足して、それ以上の努力をしなくなるタイプでしょ？」
うっ...そんな事無いし！...とは言えない。
「でも」
「ん？」
二宮くんの方を見たら、軽いキスをされた。
「可愛いんだけどね」
「.....」
「Aのそーゆーポンコツ的な部分も」
「...一言多いよ」
二宮くんからフンッと顔を逸らして、シャンパンを一口。
「ねぇ、A？」
「...なに」
「こっち向け」
「...」
チローっと二宮くんをまた見やる。
彼は穏やかに笑って、首をかしげた。
「A」
「うん」
「来年の誕生日は、チーズインハンバーグが良い」
「来年の話をしたら鬼が笑うんだよ？」
「希望じゃなくて決定事項だから、笑われないんじゃない？」
二宮くんは「鬼は夢のような話に対して笑うのよ」と、やっぱり独特の理論を述べて、私の作ったハンバーグを美味しそうに食べ頬を膨らませる。
「予約ね」
「え？」
「この先もオレの誕生日、一緒に居てよ」
「...そんな先の話は鬼が大爆笑だよ？」
「決定事項だから笑われない」と
そう囁いた二宮くんの唇が
ふわりと唇に触れた、六月の夜。
・・・・・END・・・・・
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作者名：rei
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=reika72
作成日時：2016年3月16日 18時
