ここはロマンス大通り【ars】 (ページ37)

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「櫻井さん、お久しぶりです」
「元気かー？」
「元気です！櫻井さんは？」
「元気元気。元気過ぎて食欲が止まんねーよ」

ダハハッ！って笑った櫻井さんの声に「翔くん、気を付けなきゃ丸くなるよ」って智さんが言ったから、相葉くんがスマホを智さんの方へ向けた。

「あ！そこ、三十四か！」
「翔くーん」
「智くん、ラーメン通販してよ」
「無理ー」

智さんが体の前で腕をクロスさせて大きなバツを作る。
また相葉くんがスマホを私に向けた。

「ところで雅紀、何の用だっ.....」

櫻井さんが口を開けたまま固まった。
スマホを持ってる相葉くんは、面白そうにニィっと笑ってる。

「すっごい怖い...」
「え？櫻井さん、何がですか？」
「Aの後ろにいる子が、すっごい怖い」

はっ！と後ろを振り返ると、スマホに向かってガンを飛ばしてる二宮くんが居た。

「おい、雅紀。何でこのイケメンに電話したんだよ」

スマホから目を離さず、相葉くんに抗議してる。

「え？カズのお誕生日をお祝いして貰おうと思って」
「はぁ？別にいらね...」

二宮くんの言葉と同時に「誕生日か！おめでとう！」って櫻井さんが言ったもんだから、二宮くんってば黙り込んだ。

「良かったね、二宮くん」
「.....」

素直じゃない。
面倒臭い。可愛いけど。

「ニノくん、Aとは仲良くやってくれてる？」

櫻井さんが問い掛ける。

「やってくれてる、って何なんですか？まるで保護者みたいですね」

こらこらー！
またそんな生意気な...

でも櫻井さんはやっぱり朗らかに笑う。

「まぁ、保護者みたいなもんじゃない？」
「Aの事、異性としては見てないの？」

こらこらー！
何を訊いてるんだ！？

「可愛いなぁとは思うけど」
「なにっ！？」
「ニノくんがAに想う『可愛い』と、俺が思うソレは別物でしょ」
「.....」
「恋愛感情じゃなくても、大切だし可愛い子だよ。だから、ニノくん頼んだよ？」

ひぃぃぃ...！
櫻井さん、ちょっと(いや、かなり？)ドキドキします、それ。

「頼まれなくても、Aを泣かせないし笑わせてやるから大丈夫です」
「アハッ！頼もしい！」

画面の中の櫻井さんが、うんうん頷いて優しく微笑んだ。

「ニノくん、改めてお誕生日おめでとう」
「...あざっす...」
「格好良い大人になれよー？」
「偉そうっすね」

ツーンと唇を尖らせた二宮くんだけど、その口角がほんの少し上がってた。