すながくれ彼女は顔面６００族の甘々の夢をみるか【キバナ】

おおきな旦那さま（生々しさ注意） ページ13

わたしのはじめて。


生まれてからずーっと、新品の傘についたビニルのように大事に取ってたわたしの人生のほんの半分。


一人じゃ不器用で外せないから。


キバナと一緒に外していった。



ちゅうも指輪もはじめても。


全部全部キバナにあげる。



そしたら器用なキバナはすぐにビニルを外してくれた。



窮屈なビニルは真っ赤な液体を出して剥がれていった。




「ゴメンな、痛いよな、大丈夫だ、すぐに良くなるから」




ほんの少しの涙と窮屈さ。


荒い呼吸に、通り雨に降られたような汗だくの身体。



鋭い犬歯を覗かせて、笑うキバナ。


鎖骨から腰、股関節。



贅肉のひとつもない引き締まった身体。




優しくってかっこよくって。


わたしのことを誰よりも愛してくれて。




どうしよう。



わたしね、沢山の人の幸せと理想をかき集めたような人と、愛し合ってるの。



愛してるとか大好きなとか一緒にいようとか




言葉なんかじゃ足りないくらいの愛情を埋めるように。





汗が一瞬全部散らばって鳥肌になって。



だんだんと薄れてく意識の中で、どれくらい私、好きとか愛してるとか言えたかな。




あのね、感情って極限に達すると全部泣くに繋がるの。


だからもう、彼のこと好きすぎて涙いっぱい溢れた。




でれでれって笑って、キュンキュンって体の全部反応して。



ねぇ。わたしほど貴方の事好きな人いないのよ。




恋しくて愛しくてたまらなくて。


目に入れてもちっとも痛くないくらい。





慕うなんてレベルじゃないの。



この感情どうしちゃおうか。





「きばなぁ、すきぃ」




でも結局言う以外なーんにも無いね？


うん、それでも伝わってるなら、いいよ。

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