犀 ページ18
「じゃあ、まぼにしよう!」
思い出せばあの頃は血気盛んすぎた。
校舎を馬鹿みたいに駆け回ったし、派手に転んでたまに病院に行ったもので。
校則違反ギリギリだ。
骨折したその日なんか…。
いいや、違う、骨折を恨んだことなんてない。
「いつもいつも怪我ばかりですね」
放課後、寮に行くのも、部活に行くのも躊躇っていたあの日。
クラスで所謂、陰キャラなんて部類の彼に会った。
正直に言うと、今と変わらずの綺麗な顔だった。
髪はサラサラとしていたし、目も綺麗だし。
ただ、昔のことでイジられているんだろう。
噂なんてロクなものじゃないことは分かりきっていた。
「えっと、ありがと。」
「ゆめの…まぼたろう?」
そう言えば
「幻太郎です。」
プッと吹き出して笑い始める。
その時の笑顔が本当に眩しかった。
「言いにくいな…」
「どこがです?」
「じゃあまぼにしよう!」
「どうしてそうなった」
あれから暇があれば駄弁る仲だった。
あの日が忘れられない。
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ゆる - 面白かったです!!完結おめでとうございます!! (2020年8月7日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - 名有りさん» ありがとうございます!励みです! (2019年11月18日 16時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)
名有り - 凄い好きです!!!応援してます! (2019年11月18日 7時) (レス) id: 866a33e64d (このIDを非表示/違反報告)
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