検索窓
今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:43,480 hit

言葉のビンタ ページ13

「うえっ、ゲホッ、待って待って、病人走らせないで」



そう言えばゆっくりとペースを下げて、しまいには何故か私のアパートの前。


相変わらず手はカメムシが羽を震わせる時のようにブルブルと震えている。

例え方も例え方だけど。



そうだ、私は病人なんだ、クランケだ、患者だぞ。

パジャマ姿でアイスがいっぱい入った袋と薬の入った袋を持って歩く見てわかるとおりの病人だぞ。




「も、いいっすか?」


わざと声を低くして聞いた。



くぐもらせても良かったけど鼻声だからいいか。






「へっ!?あ、え、、いや、です」



驚いて震えて、そして拒否する、嫌、そう申すか。




「えと、あの、え、ぁ」



オドオドする金髪くん。

ブーブル君にスマホかざして聞いたら誰かわかるくらい派手だ。




「あの〜ここ〜自分の家の前なんすけど…」





「え、あ、そう、なの…?」



手の力をぎゅっ、と強くして俯く金髪君。




「行っても?」




「まだ、駄目…かも」




そうして顔を上げると私の手を両手で握った。





「アギャ!!」



「え、ど、どうしたの」


声を上げる私に驚く金髪君。



そりゃそうだろうよ。



驚きたいの私だよ、だって目の前に愛しの彼いるもん。




金髪君、君…ホストの彼だったなんて知らなかったよ…?




大事な話をしたくて…と呟く彼。





その言葉は、身も心も弱っている私にとっては、聞きたくもない言葉だった。




耳をどうして塞がなかったんだろう。









「もう、店には来てほしく…ないんだ」

話聞かない系女子はモテるんじゃないか?→←なんぱすぇん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (92 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
80人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆる - 面白かったです!!完結おめでとうございます!! (2020年8月7日 9時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
いぬお(プロフ) - 名有りさん» ありがとうございます!励みです! (2019年11月18日 16時) (レス) id: 5294fb0fb4 (このIDを非表示/違反報告)
名有り - 凄い好きです!!!応援してます! (2019年11月18日 7時) (レス) id: 866a33e64d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いぬお | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2019年11月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。