今日も平凡に過ごすはずで…【まふまふ】

日常20 ページ20

お兄ちゃんが笑う


翔太先輩も笑う


私も、笑った





ずっと遠くで、音が鳴っている



三人の、楽しげな声




私たちの声




『お兄ちゃん』

真「ん？」

『お兄ちゃん…！』

真「どうしたの？Aｗｗ」






久しぶりの、お兄ちゃんの声









『お兄ちゃん！！』

真「うわ！？」

翔「もしかして、聞こえてる？」






ぼろぼろと流れる涙でお兄ちゃんの服を濡らす




翔太先輩の言葉に、必死で頷いた




真「本当…？聞こえるの？A…！！」

『聞こえるよっお兄ちゃん…おにいちゃん…』









なんでかはわからない



だけど聞こえる




大好きな人たちの声が聞こえる





お兄ちゃん







『ありがとう…っ』






私を、守ってくれて








いまなら、言える







恐怖はまだまだ残るけれど






ありがとう






真「Aが無事なら、お兄ちゃんは良いんだからね…っ」




お兄ちゃんも泣いた





翔太先輩は笑って、私たちを抱きしめた







また、笑い合えるから







　

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