レッドライン2【不死川実弥】

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『花火大会、今年は2人で見に行こうぜェ」




ここ数日、この言葉が私の頭をグルグルと回っている。




この言葉には前後がある。





遡ること1週間前



実弥が合宿からおぼつかない足取りで帰って来た時のこと。



何とかお風呂とご飯を済ませベッドにうつ伏せに倒れ込む実弥にマッサージをしてやる。


ケアは大事です。経験者は語るよ。



「ヤベー気持ちいわァ。」

『…………凄いね、硬っ…カチカチだよ？』

「下ネタァ？」

『違う。期待すんな。冗談抜きで。ヤバイ。』



頑張ったんだね、お疲れ様。
そう言うとおー、とだけ返される。



照れたか？
顔を覗き込もうとするが、枕に埋めてしまっていて全く見えなかった。


…いいなぁ、枕。私もその役割したい。



それにしても、本当に頑張ったんだなぁ。
これは結構ほぐすのが大変だ…



邪な気持ちなんてこれっぽっちもなく、始めたマッサージだったが…


まぁ、でも好きな人の体に触れたり、時々出るくぐもった声が妙に色っぽく感じるのは、仕方がない事だと思う。



「…ん、ヤベーすげぇー…いい…」

『…。』



わざとか？やべーのはこっちだ。
なんか、変な気分に…


ちょっと、くらい、なら、際どいところを触っても…反応が、見たい…



「あ"ー」

『！？』


……突然のめちゃくちゃ汚いおっさん声にびっくりした！バレたのか私の邪な考えが…！


「ヤベー寝そう…」
　

良かった。バレてない。いきなり大きい声出すなよ！


『ね、寝なよ……ビックリするから突然変な声出さないでよ！』

「んーまだAと話してェ…」






……………







Aと話したいって……珍しくそんな事を言うものだから、顔に熱が籠もる。



だったら今、聞いてしまおうかな、私達の関係を。

ドキドキと胸を高鳴らせている間に実弥に先を越された。



「あ。なァ、伊黒が甘露寺に告んの聞いたァ？」

『………聞いたよ。花火大会で告白するんでしょ？』



それはそれはめちゃくちゃ相談されましたから。



花火大会って女の子が一番告白をOKしやすい環境なんだってと付け加えると「へー」と少しの間を取り、







その後、


この後だ！


私を悩ませる言葉の数々が出たのは！




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