風柱とズルい継子の関係。【不死川実弥】

08.玄弥ステイ！夜泣きの事情 ページ8

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『師範、もう無理です…ごめんなさい。』



地べたに寝そべり
このまま寝てやろうと思う。くそが。


蝶屋敷でしのぶ様に経過報告をしてから帰還する予定だったのだが予期せぬ出来事が起きた。玄弥くんと鉢合わせしたのだ。


昨日何気にお誕生日だった師範。玄弥くんは健気に師範の好物おはぎを差し入れてくれていて。弟なんざ居ねェと何故か、しらを切る師範が素直にその差し入れを口にするとは思えず私は黙って師範に食べさせていたのだった。


そんな気遣いを知らない玄弥くんは相も変わらず師範に話しかけたんだけど「昨日のおはぎ」と、至らん事を言い出すもんだから騙されたと師範は思ったのか私は可哀想な位に八つ当たり(鍛錬)された。


それにしてもだ。私冷静に思い返してみれば昨日寝てなかったの。怒涛の血鬼術の夜の前に軽く寝ただけで完徹もいいとこ！寝不足だし鬼狩りもしてるしで、もうホント無理です。色々と限界…


『おやすみなさい師範。』


ンな所で寝るなァァ！と聞こえた気もするが、もう放っといて。地べたで寝る(失神含む)は師範と居るようになってもう慣れっこなの。


目覚めたら…お布団にいる事だって分かってる。どれだけキツい鍛錬をさせられようと鬼狩りで万事休すになろうと…師範は私を最後まで面倒見てくれるんだ。勿論最初はお布団に居た時には驚いたけども。


見た目と言動は怖いのに
優しいんだ。根底は。


玄弥くんにも優しくしたらいいのに。
あんな髪型だけど身内じゃないってしらを切るの厳しいぞ。似てるんだから。柔らかく笑った顔とか…優しい所とか。


悲鳴嶼さんに聞いた癇癪持ちって所は…師範も血の気が多いんだから似てる(？)し…ね。







「おいテメェ、まだ寝てねェだろ。湯浴みくらいして寝ろォ。」

『…………痛いっ！蹴らないでくださいよ！』




足蹴されながら起こされた私は舌打ちだ。
しかしよくバレたな。狸寝入りしてたのに。


「お前が寝てンのか失神してンのかくれェ分かるわ。」

『やっぱり師範は助平だ！寝てる乙女を観察するなんて！』

「無駄口叩く元気あンなら打ち込み付き合うぞ。」

『ホント無理です添い寝して下さい。』

「あ"ぁ！？」

『ヒィィィ！！！』



こんなやり取りをしている私達だが
実はたまに床を一緒にしている。


何故ってそれは…私は夜泣きをする時があるからだ。泣いている時は記憶が無いんだけれど…家族が鬼に殺された時の夢をたまに見る。


見かねた師範は慰(なぐさ)めてくれて、そのまま朝に至るのが添い寝の事情なんだけれども。




京華

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