風柱とズルい継子の関係。【不死川実弥】

18.おはぎ、作りました ページ18

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『よし、出来た！』



風柱邸における必須アイテム、「おはぎ専用重箱」にずらりと並べたそれらを眺めた。


作りながら味見した粒あん(師範はどっちかっていうと粒あん派)は甘すぎずくどすぎず。

我ながら美味い！！



(早く帰ってこないかなあ……)



作り立てを食べて欲しいのに、と溜息が出かけたところで。



「帰ったぞ」


『……！ お、かえりなさい師範！』



正直まだ、複雑な気持ちもある。

あるけどやっぱり＿＿＿＿＿師範と離れたくない、というのも本音なわけで。


転がるように玄関へと走った私は、眉を寄せた師範と対面する。



「……今朝の鍛錬が物足りなかったってンなら、打ち込み追加すんぞ」



草履を脱ぎながらそんなことを言う師範は、多分………いつもの感じだ。


よしよし、反省したようだな。(何様)
まあ、これ口にする度胸はさすがに無いけども。



『いやいやいや足りてます！十分です！お釣りがくるくらいです！』


「遠慮すんなや」


『してな、………あっ、そうだ私、おはぎ作りましたよ師範！お茶にしましょ！おやつ！』



師範の物騒な短羽織を引っ張りながら誘えば、その動きは一度止まる。

よし。チョッッッロ。←



『さあさあさあ』とそのままの勢いで居間へと押しやり、おはぎ専用重箱の前へと(ほぼ強制的に)座らせる。



「……また随分作ったなァ……」


『ふふん。参りましたか！』



何だそりゃ、と眉を寄せつつ、師範はおはぎをひとつ掴むと、豪快に口の中へ放り込んだ。

もしゃもしゃと咀嚼し、私がすかさず差し出したお茶をひと口。



「美味ェ」


『でっしょー！自信作です今日のは特に！』



むふん、と胸を張ってから、自分も箸をつける。
うん、やっぱ美味しい。


しばらく二人で黙って、おはぎを食べた。
今朝のそれとは違う………こんな静寂は悪くない。



「……お前が柱になンのも、そう遠かねェ」


『えっ……？』



その言葉に思わず顔を上げれば、師範は私を見てはおらず。
瞬間、感じたのは淋しさだった。



「それまでは俺が責任持って、お前を育てる。その後は………」



お前の好きにしろ、という言葉は、どんな風に受け取ればいいのか。


その、後＿＿＿＿



『……師範を私の継子にしてさしあげま、……ちょ！危ない！！』



熟考した体でそう呟いた私に向かい、有り得ない速度で飛んできたのは。



＿＿＿＿師範の座布団で、ございました。(白目)



ひよ(タイトル好きだよww)

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