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目黒「もしもし」
宮舘「もしもし」
目黒「今時間いい？」
宮舘「いいよ。目黒と電話するの、久しぶりだよな」
目黒「確かに。舘さんに、聞きたいことあって。だいぶ前のことなんだけど」
宮舘「何？」
こんなこといきなり言っていいんだろうか、という考えが一瞬頭をよぎったけれど、電話をかけた以上もう逃げられない。
目黒「1月22日のことを、知ってる限り全部教えてほしい」
宮舘「1月22日って…あの日のこと？」
目黒「うん」
宮舘「言って大丈夫？」
不安そうな声で、心配される。
目黒「うん。主に聞きたいのは収録前のことだし」
宮舘「細かいことまでは覚えてないけどいい？」
目黒「覚えてる範囲で、阿部ちゃんのことだけでいいよ」
宮舘「阿部ねえ…あの日一緒に来たかもしれないけど、自信ない。俺と阿部が1番に来て、目黒がその次に来たんだっけ。俺は電話してたか何かで楽屋の外にいたから、中のことは知らないけど。あと、この日じゃなかったかもだけど、最近阿部が疲れてる感じはあったかも」
目黒「俺、確かその日まであんまり阿部ちゃんと会ってなかったから分からないんだけど、阿部ちゃん疲れてそうだったのって、その日だけだった？」
宮舘「この日だったかさらに前だったかどうかは分からないけど、阿部がしんどそうな時があって、『大丈夫？』みたいなこと聞いたら『大丈夫』って言ってたことはあると思う」
目黒「前からだったんだ…」
宮舘「後は分からないかな。こんな感じでよかった？」
目黒「うん。すごく貴重な情報、ありがとう」
宮舘「助けになれたんだったら、よかった。何かあったら教えて。じゃあまた」
目黒「分かった。またね」
電話を切って、大きなため息を一つつく。
阿部ちゃん、いつからしんどかったの？
全然大丈夫じゃなかったよね？
あんまり会っていなかったとはいえ、こんなことになるまでに気づけなかった俺だって悪い。
舘さんが楽屋の外にいたってことは、阿部ちゃんと俺しかいなかった時間があるってことだ。
何でその時、何も気づいてあげられなかったんだろうか。
あの時楽屋で見るべきはスマホの画面じゃなくて阿部ちゃんの様子だったんだ、ということを今更ながら悟った。
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