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その次の日の朝。

阿部「おはよう」

目黒「おはよう」

阿部「昨日言ってたこと、いつ聞きたい?」

目黒「今」

即座に返事をするめめに、驚く。


阿部「朝からする話じゃないよ?」

目黒「いいよ、俺が知りたいから」

阿部「分かった」

昨日と同じくきれいなめめの瞳ををもう一度見つめ直してから、俺は意を決して話し出した。


今から話す内容は何回謝ったって許してもらえない可能性があるし、そうなっても仕方ないと思ってしまうことなんだよね。

こんなんじゃ到底足りないけど、「ごめんね」って先に伝えたい。

細かいこと抜きで簡潔に言うと、めめが入院することになったのは全部、俺のせい。

俺があの時何もしていなかったら、めめはこんなことになる必要はなかったし、ならなかったって断言できる。


目黒「…あの時、何があったの?」

阿部「めめは、覚えてない?」

目黒「…うん」


昨日待ってたエレベーターが全然来なくて、階段使おうって思って実際に階段を見たら、急に思い出した。

あの時確か、2人でテレビ局の階段降りてたんだよね。

それスノの収録後、俺とめめは別番組の収録あって急いでて、他のメンバーより一足先に出てた。

いつも通り時間も押しちゃってたし、俺ら急いで階段を降りてた。

めめが前、俺が後ろで階段降りてたんだけど、俺が階段で段差に引っかかってバランス崩して。

普通めめは前向いてたから気づかないはずなのに、なぜかその瞬間目が合った。

でもあそこ、結構段差あるじゃん?

ほぼ降りてない状態で引っかかったから相当いきおいついてたし、逃げれば怪我するのは俺だけだって思ってたけど、その時めめが俺を支えようとしてくれてるように見えて。

「逃げて」って言いたかったんだけど、タイミングが遅くて言えなかった。

俺がこけたことでめめを巻き込んで、それでめめをこんな目に遭わせてしまって…。

もしかしたら一生歩けないかもなんていう状態にしてしまって…。


一生俺を恨んでくれていいよ。

思い切り怒っていいよ。

言いたいこと全部言って。

めめの人生を狂わせたこと、取返しがつかないことは分かってる。

できるだけのことしたいのに、何もできない俺自身が嫌になってくる。

ごめんね、ごめんね…。


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作者名:まっちゃ | 作者ホームページ:No.  
作成日時:2022年11月5日 19時

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