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ちらっと前を見ると、ぼやけた視界の先で、めめが目を見開いてこっちを見ているのが見える。
悪いのは全部俺なのに、めめに何て言われるのか怖くて、思わず目をつぶる。
目から溢れた涙が、頬を伝って流れる。
突然背中に、温もりを感じた。
背中に回された手が、俺をすっぽりと包む。
目黒「ありがとう」
阿部「何で…」
目黒「言うの、辛かったよね。急かすみたいなこと言ってごめんね」
阿部「そんなの…」
目黒「阿部ちゃんの話聞けて安心したし、うれしかった」
阿部「どうして…」
目黒「あの時のこと覚えてない俺にあまり言いたくなかったようなこと言ってくれたし、俺が阿部ちゃんを救えたんだって思うとうれしい」
阿部「怒らないの…？」
目黒「怒らない怒らない。何か不便なことがあっても、みんな助けてくれるって信じてる」
阿部「めめ…」
目黒「あと、もしあの時俺が逃げてたら、阿部ちゃん助かってなかったかもしれないよね。そう考えたら、今こんな風になってても、あの時の俺の判断は間違ってなかったって自信を持って言える」
俺の涙は止まることを知らずに、とめどなくあふれ出てくる。
阿部「何でそんな優しいの…」
目黒「阿部ちゃんだって優しいよ。もしかしてあの時、俺が先に階段降りてたってことは、俺を先に行かせようとしてくれてたってことなのかなって、今思った」
阿部「そんなことも、あったかも…」
目黒「あと、入院したことでしめとか松村先生とかすごくいい人たちに出会えたって考えたら、それは必ずしも悪いことだけじゃないよ」
阿部「でも、もしかしたら一生ダンスしたり歩いたりできなくなっちゃうんだったら、Snow Manの活動にも影響出てしまうよ…」
目黒「それはそうかもしれないけど、Snow Manとしての活動ができなくなったわけじゃない」
阿部「どういうこと…？」
目黒「ダンスとかできなくなっても、歌ったり、メンバーとおしゃべりしたり、一緒にいることはできる。俺Snow Manが大好きだから、一生Snow Manでいたいし」
阿部「俺と一緒にいたいの…？」
目黒「何言ってるの、もちろんそうに決まってるじゃん。俺が横についてて、阿部ちゃんが早く元気になる手助けができたらうれしい。阿部ちゃんが元気になってくれるんだったら、俺のことは何でもいいって思える」
阿部「めめ…」
さっきからずっとめめの腕の中で泣いている俺を、さらに強く抱きしめてくれる。
泣き疲れて目の前がふわふわしてきたところで、めめが俺をベッドまで案内してくれる。
「メンバーには、また言うね」と言った後程なくして、俺はそっと目を閉じた。
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