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…
夕方にはごちゃまぜの感情を抱えたまま、
こうちゃんの背中を追いかけるように登ったこの石段。
…今は、
「ゆーや、こうちゃん気をつけてね?」
雄也「わーかったから。
もーお前のほうがよっぽどあぶねーよ、」
…ほれ前向けって、A。
今は雄也とこうちゃんのほうを振り向きながら降りる私に、彼が後ろから呼びかける。
航平「…ん、ねねー…」
雄也「あーごめん。びっくりしたなー…
大丈夫、ねーちゃんそこにちゃんといるからねんねしてな。」
彼の見た目からは絶対言わなそうな言葉たち。
聞いたことないくらい優しい声でたくさん囁いて、
重くなったこうちゃんをずーっととんとんってしてくれた雄也。
「お祭り楽しかったね。雄也、ありがと。」
雄也「…おー。」
「でもまだもう少しだけいたかったなー…
こうちゃん寝ちゃったけど、」
雄也「だーめ。
お前とコウこの時間いさせたくねーんだもん。」
…さっきもそう言って、もう帰るぞーって。
「別に平気だよ、私も大人だし。」
雄也「つってももう祭り酔っぱらいとチンピラばっかじゃん。
俺がいればいいんだけどさぁ、なんか俺が落ち着かねーの。」
騒がしいお祭りの声。
お囃子の音、からんからんって甲高い鐘がなる音。
「…うん、」
一段ずつ降りるたびに遠く聞こえて、
秋の匂いの風が私たちを吹き抜ける。
「…ね、雄也。」
さっきからずっと簡単に私の心をかき乱す雄也に、
雄也「ん?」
「なんで帰ってきたの?」
ふいに降りる足を止めて彼のほうを振り向いた私。
嘘みたいな時間の帰り道が始まった今だから、やっと聞けること。
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にゃん(プロフ) - かえるさん» コメントありがとうございます。雄也くんらしさって、言葉にしてしまうと冷たく感じられてしまいがちで、不器用な優しさですよね。過去編では切ないばっかりでしたが、2ではしっかりきゅんにします!笑 これからも、よろしくお願い致します。 (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - レイナさん» コメントありがとうございます。そとづらから引き続き読んでくださってるのがすごく嬉しかったです!なるべく頻繁に更新できるよう、頑張りますね。またいつでもコメントお待ちしております。2も、引き続きよろしくお願い致します! (2017年5月4日 16時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
かえる(プロフ) - コメント失礼します。とってもキュンキュンするのに、切なくて泣いてしまって。雄也くんらしいな〜と楽しく拝見させていただいています。 これからも楽しみにしてます。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 740f5ed62d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - そとづらだんしに引き続きあさやけだんしもダイスキな作品です!!にゃんさんのペースで更新頑張ってください!!どんなに時間経っても更新楽しみにしてます!!!がんばってください! (2017年4月23日 19時) (レス) id: 2b8f700843 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 美咲さん» お久しぶりです。ずっと前にコメント下さっていたのに今になってしまってごめんなさい。ちょっと考えてしまうことがたくさんあったので、やっぱり頑張ろうと思えました。これからも丁寧に書いていきます。よろしくお願い致します! (2017年4月16日 19時) (レス) id: a8bbd9eca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2016年10月24日 23時