[マギ]闇色の刺客[シンドリア]

:第八夜; ページ9

次の日


昨日のうちに作っておいたオラミーとパパゴラスのぬいぐるみを並べる

我ながら上出来
光るビーズを目に用いたのが特徴だ

一匹だけではつまらないので
家族を連れたオラミーや、夫婦のパパゴラスも作った

親子層が主なターゲットだからな


ま、そうすぐ客が来ることもないだろうし……


ぬいぐるみ達の前に｢留守にしてます｣と書いた貼り紙をした

ぬいぐるみを盗むような悪い人はこの国にいないだろうから大丈夫だろう


私は変装をして、買い物袋を片手に買い物に出かけた






ジャーファルside




「うーん…」


私は昨日話題になった"オラミーの人"の情報を集めていた


商人かもしれない、と考え組合の役人に聞いてみたものの

黒い髪と目、白い肌を持つ人物はいなかったという

観光客という考えも浮かび、国中の宿屋を訪ねたが
みな知らないと答えた


たった一つだけ、有力な情報を得た


黒い短髪と目、褐色肌を持つ商人ならいた


という役人の証言だ

その商人は古い家を購入し、ぬいぐるみ屋を営んでいるらしい


ぬいぐるみ……


「…とりあえず行ってみましょう」


私は役人に書いてもらった地図を頼りに店へと向かった




賑わう市場から少し離れた場所に

可愛いぬいぐるみが並んでいるお店があった


オラミーとパパゴラスのぬいぐるみ

ふと、昨夜の絵を思い出す


どれも手縫いのようで丁寧に作られていた
きらきらと光るビーズの目が可愛らしい


「留守…ですか」


ぬいぐるみの前の貼り紙を見る

もう少ししたら戻ってくるかもしれない
来るまで待とうと思い、ぬいぐるみに手を伸ばしたとき


『いらっしゃいませ!』


後ろを振り返ると

褐色肌が特徴的な男性が食材を抱えて笑顔で私を見ていた


声からして明らかに男性なのに
あまりにも綺麗な顔立ちだったので
驚いて一瞬固まってしまった


そしてまた、昨夜のマスルールの言葉を思い出していた

:第九夜;→←:第七夜;

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す