過去の時間 １１時間目 ページ11
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先輩よりも、大きな背中はとても逞しく、頼もしい。
「女にまで手ェあげんのか。情けねえな。男としてどうなんだ」
とても低めの声を持った彼は、先輩の腕を易々と掴み上げている。
後ろ姿だけでも威圧感があるのに、正面から腕を掴まれ、見下ろされるなんてたまったものじゃないだろう。
恐れ入った先輩は、何も抵抗出来ないまま、逃げるようにこの場を去っていった。
(うわぁ、凄いな……)
「大丈夫か？」
「うん。ありがとう、鬼龍くん」
「無事ならいい。あと少し遅かったら、守れてなかったしな」
「……あっ。そう言えば、彼は？」
私は、鬼龍くんの後ろを見ると、そこには腰を抜かして座っている彼の姿があった。
私は、慌てて彼に駆け寄った。
「守沢くん、大丈夫！？」
「……あぁ、すまない。女の子に、助けられてしまったな」
「結果的に助けたのは鬼龍くんだから、私は何もしてないよ」
「流星隊に入ってるのに、助けられるなんて……ヒーローとして失格だな」
「なぁ、なんでお前は抵抗しないんだ？向こうが明らかに悪いんだ。少しばかり殴ってもいいと思うけどな」
(流石鬼龍くん。発想が怖い……)
でも確かに、守沢くんは口だけの抵抗はしても、行動では抵抗の意思を示さなかった。
あの状況で、あの先輩達に多少手を挙げたって、正当防衛ですって言えるはずなのに。
「例え相手が悪だとしても、俺はその人たちを傷つける事は出来ない」
眼鏡の奥の瞳は、とても強い目をしていた。
その目は、先程やられていたばかりの彼のものとは思えないくらい違って見えた。
「その言葉、汚い世界を知らない無知な小さな子どもたちに聞かせるならば百点満点。
でもね、本当に守りたいものを守る為には、その優しすぎる甘い考えは捨てた方がいい。
そうじゃないと、何も守れない名ばかりのヒーローになるよ」
約一年前から見てきた世界は、そんな世界だった気がする。
大事なものを、手を汚さずに守れる世の中じゃない。
(私は、暗殺者の世界で、それを早く知りすぎてしまったみたい)
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今宵(プロフ) - 一気読みさせていただきました！任務がどう関わっていくか楽しみです！！ (2022年10月10日 21時) (
レス) @page27 id: 6c82ee2695 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - 任務についてどうなっていくのか気になります (2022年7月26日 2時) (レス) @page27 id: 17169564a0 (このIDを非表示/違反報告)
愛那 - 暗殺教室もあんスタも大好きなので嬉しいです！！更新頑張っください！楽しみににしています！！！ (2020年4月19日 12時) (レス) id: d42bf818f3 (このIDを非表示/違反報告)
Yy(プロフ) - 暗殺教室もあんスタも大好きなので最高すぎました← 続きがとても楽しみです！！更新頑張って下さい！♪ (2020年4月5日 21時) (レス) id: 4c46a4a080 (このIDを非表示/違反報告)
レナナミル♪(プロフ) - Edenが出てる！暗殺教室とのクロスオーバー面白いです！ (2020年4月5日 14時) (レス) id: aefdd45bb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水神友花 | 作成日時：2018年7月3日 13時
