【あんスタ】プロデューサーが元暗殺者の件について【暗殺教室】

あんずの時間 ページ45

.





このアイドル科には、私以外にもう1人プロデューサーが存在する。



今年４月に転校してきたあんずちゃんだ。



彼女は、無口で表情をあまり変えないけど新しいことは一生懸命に覚えようとしたり、とてもいい子。



___私は、ここに入学してきたときに与えられたプロデュース専用の部屋で衣装を作ったり、プロデュースの内容を考えたりと、よくここを活用する。



今も、この部屋で1人黙々と衣装作成をしていた。



コンコン、とドアをノックする音。



「どうぞー」と声をかけると、静かにあんずちゃんが入ってきた。



「何か聞きたいことでもあるの？



……いや、その顔は違うか。何か悩みがあるんだね。どうかしたの？」



顔を見ただけで、何が言いたいか当てられたあんずちゃんは「どうして分かったの！？」とでも言いたそうな表情をしている。



私にもその理由は明確じゃないけど……おそらく、暗殺をして身についた【洞察力】なのか、



親の顔色を伺いながら生活してきた幼少期のときに自然と身についた【スキル】なのか……



あんず「……先輩。」



「あ、ごめんね！考え事してて、つい黙り込んじゃった！それで、悩みって何なの？」



作りかけの衣装と裁縫道具を置き、しっかりとあんずちゃんと向き合う。



あんずちゃんは、私としっかり目が合ってから少し戸惑い、そして首を振った。



あんず「すみません、やっぱり大丈夫です。」



その一言だけ残して、彼女は部屋を出ていった。



(……あんずちゃん。私、あなたが未だに分からないよ)



言いたいことは、言葉にしないと伝わらない。



私は何度も彼女と向き合いたいと思っているのに、彼女自身はそれを拒んでいる。



だから、私は彼女が怖い。



自分の心の中に溜まった何かが溢れたら、彼女は私が恐れていることをしそうな気がして。



(あんずちゃん。1度だけでいいから、あなたと向き合いたい)

赤羽業の時間→←今後の予定についてのお知らせ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す