浅尾きゅん☆ in tigers 4

復活 ページ18

僅か1点リードで俺に託されたマウンド。


　もう抑えられない要因はなくなったはず。


　俺のモットー


　『人の白星を消さない。 人に黒星をつけない。』


　自分の記録も大切だけど、セットアッパーとしての仕事を果たすことが最優先。


　準規、安心しろよ。
　

　絶対お前の勝ち星は守り抜くから。


　『浅尾、10日ぶりのマウンドです。 ついに復活しましたね。』


　『詳しくはインタビューしてみないと分かりませんが、
　この期間は結果的に良い休息になったのではないでしょうか。』


　『中日は2番荒木からの好打順です。 抑えることができるのでしょうか。』


　落ち着いて。


　落ち着いて。


　自分に言い聞かせ、投球フォームに入る。


　『ストライク！ いきなり150キロのストレートです!!』


　気持ち良い・・・！


　投げるってこんなに楽しいんだ。


　調子が悪い時の俺は、こんな感覚すっかり忘れていた。


　いつの間にか震えも止まっていた。

　
　フライとゴロで2アウトをとった。


　あと一人、気を抜かずに・・・


　球児さんに繋ぐんだ。


　やっとここまでこれたんだから。


　たくさんの人に迷惑をかけてきた。


　今度は俺が、皆に恩返しをする番。


　『第4球投げました！』


　『空振り三振！ 最後は浅尾の代名詞、ストレートで復帰戦を無失点に抑えました。』


　「拓、ナイスピッチング！」


　「お疲れ、良かったぞー♪」


　良かった...


　本当に戻ってこれたんだ...


　電光掲示板の『0』という文字を見て安心する。


　続く9回は藤川さんが締めた。


　ヒーローインタビューは投打のヒーローで、良太さんと準規。


　2人ともすごく嬉しそう(＾−＾)


　準規は復帰後2戦2勝。


　プレッシャーに負けずに監督の期待に応えている。


　俺も負けられないな(^_^)!
　

　久しぶりのマウンドは、
　やっぱり緊張したけど、楽しめたと思う。


　ちゃんと準規の勝ち星も守りぬけた。


　もう大丈夫。


　もう一回ここから頑張っていけば良いんだ。

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