浅尾きゅん☆ in tigers 4

マウンドへ ページ17

試合がない月曜日をはさみ、甲子園での試合が続く。


　相手は3位の中日。


　このカードから、俺もベンチ入りした。


　1戦目は登板はなかったけどブルペンで軽く投げ込んだ。

　
　2戦目


　先発は中5日の準規。


　相手はエース吉見。


　吉見は三振の山を築き、対する準規は毎回のように得点圏にランナーを進められながらも無失点で切り抜けている。


　6回裏、タイガースの攻撃。


　カーンッ！


　『打ったぁぁぁ！ 新井良太、11号ソロHR！ タイガース、ついに均衡を破りました!!』


　「良太さん、絶好調っすね(ﾟoﾟ)！」


　「拓、いよいよ・・・出番ちゃう？」


　投手同士でこそこそと話す。


　いつ準規が崩れるか分からないから早めに肩はつくっていた。

　
　7回は準規が続投。


　あーあー・・・


　2アウトからフォアボールって(ーー;)


　こういう詰めが甘いところがなくなればもっともっと良くなると思うけど...(´・ω・｀)


　なんとか次のバッターを三振に取り、7回まで無失点。


　「拓。」


　「はい！」


　「次・・・ いけるよな？」


　ついに・・・


　この時が・・・きたんだ・・・・！


　「はい(^▽^)！」


　「準規はこの前もかなり投げさせたし、そろそろ疲れも出てきてるから交代。
　なによりこの1点を確実に守りきりたいからな。
　拓、任せたぞ！思いっきり投げてこい(｀・ω・)」


―――――


　『8回表 阪神タイガース ピッチャー交代のお知らせをいたします。
　ピッチャー伊藤に代わりまして、浅尾 背番号41』


　『うわぁぁぁ!!!』


　地響きのような歓声。


　マウンドに向かう。


　いつも以上に緊張してきた...


　回の途中での交代でもないのに、マウンドには内野手のみなさんが集まっていた。


　『拓、お帰り。』


　「・・・お待たせしました！」


　「お前らしく、頑張れ。」


　「はいっ！」


　そういって鳥谷さんが俺にボールを手渡し、それぞれの守備位置へ帰って行った。


　足でマウンドを整える。


　うわ・・・なんか変な感じ。


　たった一週間のことなのに、このマウンドで投げたのがずっとずっと前のことのように感じられる。


　中日ファンの応援と、阪神ファンの浅尾コールが入り乱れている。


　手と脚が少し震える。


　準規も震えたって言ってたな...


　え、準規と一緒にされたくないなぁ(笑)

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