恋愛対象外 (ページ2)

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初恋ページ2

私がテレのことを好きになったのは幼稚園の頃だった。

その頃から彼の初恋の才能は開花していて、たくさんの女子たちを文字通りお姫様にしてきた。

お砂遊びをしてもテレくん、かけっこをしてもテレくん、何をするにもテレくんという言葉が飛び交った。
そこにテレのあの悩殺スマイルが繰り出されたら、先生諸共ノックダウンだ。
周りの男の子からしたら恐ろしい光景だっただろう。もちろんテレにしても。

そんな幼稚園児時代の私は、当時テレの特別だった………………と思う。

家も近く、親同士も仲が良かったからか、よく一緒に帰ったりその後遊んだりしていた。

「おーきくなったらけっこんしよーね！」

とかいう在り来りな約束もちゃっかり交して折り紙で作った指輪もプレゼントし合った。

思えばこの頃が私とテレのラブラブ全盛期だったのかもしれない…………。

小学校に入るとますますテレはモテた。
それと同時に私に対して”だけ”いじわるになった。
他の子に対しては男女問わず変わらず優しいのに。
それは学年が上がるにつれて顕著になっていく。

家が近いという訳で必然的に登校は同じ班になる。
その際必ずと言っていいほど口に出すのが
「A〜今日もちゃんと起きれたんだ、えらいねぇ〜。」
だ。

これだけ見るとただの甘いセリフに聞こえるだろう。
ただ現実は違う。
私はなんと6年生最初の集団登校で寝坊をかまし、心配したテレが家まで迎えに来る、という珍事件のようなものがあった。もちろんその時は他のみんなは5年生に預けていてテレと私は2人で学校に行ったのだが、その最中にも
「A、ご飯の夢でも見てたの？？」
「さすが副班長、みんなが見えなくなるほど後ろの安全確認もお手の物だね☆」
など数々の煽りと見られる言葉を残してきた。
ただ寝坊した自分が確実に悪くて何も言い返すことは出来なかった。

でもあれ以来きちんと目覚ましをセットして、お母さんに起こされる前に起きているし、なんならテレより早く集合場所に着くこともある。なのに毎回この言われようだ。「もう！いつも言ってるけどもう寝坊しないもん！」
ふん！と不貞腐れた振りをするが正直こんなやり取りも楽しかったりする。好きな人との会話だったらなんだって楽しい。
ただ年下の子たちにも笑われるのはちょっと勘弁だな。