【ヒプマイ長編】Yokohama Walker【愛され全ディビ】 (ページ25)

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２４話ページ25

すっかり日が暮れてしまった。

帰り道、歩きながら昨日の事について考える。

見ず知らずの私を拾ってくれたのは左馬刻さんだ。なのに、なんの相談もせずに一郎さんに頼ろうとしたことはきっと、左馬刻さんのプライドを傷つけてしまったのだろう。

((もし、帰って左馬刻さんがいたら、真っ先に謝ろう…。))

そんな事を考えていたらあっという間に家に着いた。

玄関には靴がある。どうやら家にいるようだ。

『ただいま戻りました～…。』

恐る恐るリビングに入ると、左馬刻さんはソファに座ってタバコを吸っていた。

「おい、隣来いよ。」

『は、はい…。』
そう言われソファに腰掛ける。

『あ、あの昨日は…！！』

「昨日は悪かったな。」

私が謝る前に、左馬刻さんに謝られてしまった。
まさかの展開に驚く。

左馬刻さんが謝るなんて少し失礼だが、思ってもいなかったからだ。

『…いえ、私が左馬刻さんの気持ちを考えていなかったからいけないんです。一番お世話になっていて近くにいるのに、何も相談しなかったから…。』

「…これからは真っ先に俺に言え。」

『…！はい、ありがとうございます！』

頼れる人もおらず、孤独だった私にこんな言葉を掛けてくれる人がいる。
嬉しくて自然と笑顔になった。

「…他の野郎の前でそんな顔すんじゃねーぞ。」

『え、変な顔してました！？』

『バカ。鈍感なんだよ、テメェは。』

『バカに鈍感だなんて酷いです…！』

「事実だろーが。おい、メシ食ったか？」

『…夜ご飯はまだですけど。』

「ならメシ行くぞ。付き合え。」

それから左馬刻さんの車に乗り、夜ご飯を食べにヨコハマの街へ出掛けた。

なんとなく前よりも左馬刻さんとの距離が近くなった気がした。