第十六話 ページ21
それから、また軽くハグをしようと互いに身を寄せたとき。
ガラッと音を立てて、保健室のドアが開く。
ドキィッと心臓が鳴って、そういえば授業をサボって様子を見に来たことを思い出した。
それは隣の侑も同じようで、二人して固まった時。
「もう三限目始まんねんけど、いつまで帰ってこおへんの」
視界に入る、銀髪。
やってきたのが宮君だとわかって、緊張でこわばった力が抜ける。
彼はいつもの眠たげな表情で私達を一瞥して、
「仲直りできたんか」
と呟いた。
ご迷惑をおかけしました、と苦笑すると、寄ってきた宮君に頭を撫でられる。
「ツムは橘さんが思とる以上に惚れ込んでるからな。」
まぁでも、また辛なったら今度は俺が相手役したるわ。
なんて。
それを侑の前で言ったら、もう意味ないと思うんだけど。
嬉しさ半分、呆れ半分の視線を送ると、笑われる。
「心配せんでも、もうそんなんにはならへんやろ」
「当たり前やん。あと手退けろやサム」
どういうこと、と聞き返す前に侑が返事をして理解する。
あとで角名君と銀島君、それから色羽、クラスメイトの皆にもお礼を言わないとな、と思いながら、
『…購買のプリン、奢るね』
と言うと、途端にきらりと輝く瞳。
「ほんまに！？」なんてがしっと手を掴まれてびっくりしつつ頷けば、ぶんぶんとそのまま振り回されて、おかしくて少し笑う。
なお、また
「離せサム！」
「心狭いにも程があるやろ」
「なんやと！？」
という具合に喧嘩が始まったのは、また別の話。
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サラミ - 初コメ失礼します。もう設定から面白くて、どんどん読んでしまいました!!更新楽しみにしています。主様のペースで無理しないように頑張ってください!!!上から目線ですみません。 (2022年11月7日 21時) (
レス) @page18 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音琥
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/
作成日時：2022年11月2日 18時
