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第十五話 ページ20

もう、何分経ったのだろうか。




何度も何度も、唇が少し痛くなるくらいにキスをして。
それでもまだ足りないと、身体を反転させられてベッドに押し倒される。

見上げた侑の瞳は、蜜のように蕩けていて、息を吞んだ。



「足りへんかったんやろ」
『…も、充分、』


愛しい、と訴えてくる熱い瞳のまま、彼は言う。

突然で、何のことかはわからなかったけど、充分すぎるほどキスはしたからそう答えると、
侑は左右に首を振った。



「言わんでもわかっとるって思て、愛情表現怠ったのが原因やん」
『……そう、だけど。』



そう言われれば、否定できずに頷く。
もっと言えば、その上で寄ってくる女の子たちにニコニコしてる侑が嫌だったんだけど。

そんな言葉をいう暇もなく再び唇が塞がれれば、大人しく受け入れるしかなかった。



「もう、不安になんてなれんくらい、愛したるから覚悟せぇよ」
『…うん。』



窒息しそうだ、と思った。
あるいは、心臓が止まりそうだ、とも。

会話が減って、疎遠気味になって。
だからこそ、ドッキリを考えたのに。

侑は今までも、こんな熱を私に向けていたのだろうか。
そんな素振りは感じなかったし、むしろ、他の女の子ばかりに笑顔を向けていたのに。



『侑のアホ』
「アホはお前じゃ」

『…あんまり、女の子達にデレデレしないで。』
「してへんわ。処世術に決まっとるやん」


『大好き』
「…おん、俺も」



言った言葉は全部、優しい声に返された。
こうして、対宮侑浮気ドッキリ大作戦は幕を閉じたのである。

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サラミ - 初コメ失礼します。もう設定から面白くて、どんどん読んでしまいました!!更新楽しみにしています。主様のペースで無理しないように頑張ってください!!!上から目線ですみません。 (2022年11月7日 21時) (レス) @page18 id: 82adb6822c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/  
作成日時:2022年11月2日 18時

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