第6話 ページ9
教室に居ないとなると・・・。
学院を徘徊(言い方)してるか演劇部だな。
僕は演劇部の部室を目指す。
だって学院を渉が自由に動き回ったらマジックのあとを追って探さなきゃいけなくなるじゃないか。
それはめんどくさいからね。
お、あったあった。場所変わってなくてよかったぁ〜。
『うっちゅ〜☆渉、元気にしてたか⁉してたよな!じゃあいいやっ‼』
バンっとドアを開けると、逃げていたのか走り出しそうな体制で固まる誰か、それを困ったような顔で見つめる黒髪、・・・あれ、誠矢さんに似てる。と、女物の服をもったままこちらを見て呆然としている渉。
・・・あ、服落とした。
ああ、普段めったに見せない感情をこんなにも色濃く出す渉が見れることなんて、一生でどんだけあるんだろう。
僕は渉に向かって腕を広げる。
渉は、信じられない・・・とでも言いたげな表情で少しずつこちらに向かい歩き出す。
部員とみられる二人は、そんな渉の様子に驚いて目を見開き硬直している。
『どうしたんだ?もしかして、もう二度と僕に会えないとでも思ってたの?馬鹿だなぁ、渉は・・・』
渉「・・・馬鹿はどちらなんでしょうね?」
ぎゅ、と抱き着いてきた渉を抱きしめ返してそういうと、渉はかすれた声で返事をした。
はは、僕だねぇ。と笑いながらいうと、渉は無言になり僕の肩に顔を埋める。
ぐりぐり、と頭を摺り寄せる渉の頭をそっと撫でた。
渉「もう、零達には・・・」
『うん。会ってきたよ』
渉の長い髪を指ですく。
僕はまだ固まっている二人にごめんね。と口パクして、渉と一緒に演劇部を出た。
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作者名:音琥@逆先夏目 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/
作成日時:2019年11月4日 17時