第25話 ページ31
ライブ終了後。
学院へ向かう、一の途中。
僕は笑顔で話している五人を後ろから眺める。
・・・やっぱり、僕は必要ないな。
元々、『五奇人』のKing・・・五奇人の五人に含まれてない、酷く曖昧な立場だったし。
立ち止まる。
気づいた五人が、同じように立ち止まり僕のほうをみた。
『・・・僕は『King』としての役割を終えた』
役割と言っても、ほとんど何もしてあげられなかったが。
五人とも僕が言うことを予測できたのか、顔をしかめる。・・・そんな顔、しなくていいのに。
嬉しいけど。
『だから・・・もう、要らない。僕は、『五奇人』のKingという立場から、降りる。』
言い切る。
夏目が、泣きそうに顔を歪めた。
泣かないで。
僕は君たちが笑っている姿さえみれれば、それでいいから。
King・・・。
守れなかったのに、何がKingだ。
大切な彼らが、潰されていく様をただ見ていることしかできなかった僕が。
Kingで居る資格などない。
零「・・・本気で、言っているのか?」
『・・・勿論』
そんな顔、しないで。
僕は必要ない。僕が居なくても、君たちは進める。だからさ・・・笑って?
そういい、僕は歩き出す。
立ち止まったままの、『五奇人』達を置いて。
あれ、可笑しいな。
自分で決断したはずなのに、・・・涙が出てくるなんて。
『僕はもう、『King』じゃない』
ただの、一般生徒だ。
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作者名:音琥@逆先夏目 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/
作成日時:2019年11月4日 17時