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2008年。

青い風が吹く季節に、東方神起の弟グループとして世に排出された。名前は、SHINeeという。個々の歌唱力やダンスの実力に加え、さわやかで可愛らしいルックスは世の女性たちに大いに受け入れられた。遠い、でもきっと届きそうなスターダムへ向けて、眩い光のもと、華々しく駆け出していった。



その当時、ぼく、岡田Aは、人生2度目の挫折を経験し打ちのめされていた。

バレエを軸としたミュージカルのオーディションに選ばれたのは、11歳の時だった。
姉の影響で始めたバレエでは、役になりきって踊ることがただただ楽しく、いつだってぼくは妖精になっていた。
子役が活躍する、そのミュージカルを初めて観た時、体に電流が走ったように興奮した。あの舞台に、Aだって立ちたい。そう願って、オーディションを受けるまで、長い時間はかからなかった。

合格よりも、難しかったのは、歌と踊りで全てを表現すること。一年に及ぶ稽古では、演出家から「形だけにしかなっていない」と主人公の心に寄り添うことを丁寧に教えられた。

主人公役は自分を含めて5人。147cm以下、声変わりをしていない少年と言う条件の元、難関のオーディションを勝ち抜ぬき、厳しい稽古を耐え抜いた新鋭たちだ。誰かの穴は、誰かが埋める。ピンチヒッターであり、ライバルのような存在に心強さと闘争心を燃やしたのは、まだ自信に溢れた子どもだったからだろうか。

夏、初演を迎えた。

最高だった。気持ちよかった。
幼稚な感想しか出ない。観客の前で稽古してきたものを披露すると、お客さんの笑顔、涙、歓声が見える。拍手の嵐からは自分が認められたように感じた。

でも、幸せは続かない。
5ヶ月にも及ぶ公演の終盤、ぼくは変声期を迎えた。

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うさみみ(プロフ) - えみ様はじめまして♪続きはまだですか?もっと読みたいです (2018年9月2日 1時) (レス) id: 1190039706 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - セティ様 はじめまして。このような文章に感想を頂き、本当に嬉しく、そして励みになります。なかなか更新出来ませんが、完結を目指して投稿致します。お付き合い頂けましたら幸いです。 (2018年3月13日 16時) (レス) id: 9d750210cd (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - えみ様、はじめまして。SHINeeの男主人公の物語楽しみにしております。今後、どうなるのかワクワクしております。 (2018年3月2日 0時) (レス) id: 679e7bc534 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えみ | 作成日時:2018年2月19日 17時

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