2017.7（1） ページ12
「Aくんの頃はさ、練習生の時どうやったんですか？」
おれは、自分たちの時代は、なんて言うほど歳をとったんだろうか。
2017.7 (１)
前日から続く雨のせいで会場全体が蒸し暑い。
スタンド席で他グループのリハーサルを眺めつつ、握った小さな扇風機を顔に当てた。
ひとつ隣の席から質問を投げ打ったのは、NCTに所属する日本人の男の子。
初めて出来た同郷の後輩を可愛がってしまうのは、本当に自然なことだった。
「おれの時も、すごく大変だったよ」
空は鈍い色をしている。
練習生の時代を思い出すと、本当にデビュー出来たことが奇跡だったように思う。
思わずため息が出て、誤魔化すように口元を緩めると悠太もまた困ったように笑ってくれた。
「まず、おれ、韓国語わかんなくって。それで苦労したね。先生がつきっきりで教えてくれたけど、レッスンは全部も韓国語で…」
「今だと外国人の練習生も多いけど、そんなに前なら日本人なんかいなかったでしょ？」
「ゼロではなかったよ、韓流ブームの頃だったし…でも、みんなライバルだったから。なんか仲良くするって空気もなくて、必死だったよね」
何人もの辞めていった顔が頭を通り過ぎた。
眠れない、食べさせてもらえない、言葉が分からない、学校の成績も良くなければいけないし…
でも、それ以上に人目が怖かった。
両親への通話でさえ、サボっているように映るのではと不安になって、よく、隠れて泣いた。直接的ないじめはなかったけど、相手にしてくれる人も少なかった。
本気でアーティストを目指す韓国の子達が、正直外国人をよく思っていないことは伝わってきたし、無知なあまりたくさんの誤解と迷惑を掛けたことも自覚している。
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うさみみ(プロフ) - えみ様はじめまして♪続きはまだですか？もっと読みたいです (2018年9月2日 1時) (
レス) id: 1190039706 (このIDを非表示/違反報告)
えみ(プロフ) - セティ様 はじめまして。このような文章に感想を頂き、本当に嬉しく、そして励みになります。なかなか更新出来ませんが、完結を目指して投稿致します。お付き合い頂けましたら幸いです。 (2018年3月13日 16時) (レス) id: 9d750210cd (このIDを非表示/違反報告)
セティ(プロフ) - えみ様、はじめまして。SHINeeの男主人公の物語楽しみにしております。今後、どうなるのかワクワクしております。 (2018年3月2日 0時) (レス) id: 679e7bc534 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えみ | 作成日時：2018年2月19日 17時
