にじゅういちわ。 ページ22
凛月side
目の前の彼女はほんとに先程までの彼女と同じ人物なんだろうか。
『それでさぁ〜!るっくんてば________』
"るっくん"
この短い間に何回出た名前だろうか。むしろ、そいつの話しかしない。
"るっくん"とやらの話をするAはとても楽しそうで、嬉しそうで、幸せそうで、さっきまで冷たく言い放ってた姿からでは想像もできない様子だった。
凛「(頬まで赤らめちゃって……妬けちゃうなぁ〜…)」
【妬く】そんな言葉が過ぎって、はっとする。
妬くってなにに?だれに?なんで?
凛「(まるで俺がこいつのこと好きみたいじゃん……)」
彼女の"るっくん"語りを流しながらもんもんと考えた。
『ちょっとーー!きいてる!?』
凛「は……?てか、るっくんるっくん言い過ぎ〜……その人はAにとってなんなわけ〜…?」
おまえにとってそいつはなに?
この質問を投げかけると、突然Aは黙り始めた。
『るっくんは……』
『恩人なんだ』
凛「恩人……?」
『るっくんがいなかったら私は今ここにいない。うーん、この世にいない?』
『るっくんは私にとって、命?んーなんかいい言い方浮かばないんだけど、るっくんが助けてくれなかったら、居てくれなかったら私はここにはいない。だから、彼が私にとってすべてなんだ。』
彼女は続けて語った。
「あなたのこと信じきった訳では無いけど」という前置きを置いて、今まであったことを大まかに話し始めた。
彼女の話を聞いて、今までの、今朝の行動言動にも多少納得がいった。
それほどまで辛い環境にいて、それでも生きてる。
それは救い出した"そいつ"のおかげ。
『私過去の事大嫌いだった。今日が転校初日だけど、今日の今日までずっとひきこもってた。でも、今凛月に話して気づいた。前まで過去の話する時毎回辛くて苦しかったのに、今は何故か軽い。』
『こんな意地悪な過去があったから、るっくんに会えたから。るっくんとの思い出語るみたい。だから、すごい軽い。なんでだろう。苦しいはずの話なのに幸せに感じる』
涙目で言う彼女は苦しそうには見えない。
彼女の言う通り、ほんとに幸せに感じてるんだろう。
ここまで彼女に影響を与えてるんだ、そいつは。
初対面だけど、それはそいつのその時と変わらないよね?
出会いは最悪だけど、
_____今からでも間に合うかな?
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十六夜 桜(プロフ) - アドニスがアドニヌになってますよー、とても面白いです (2020年2月4日 23時) (レス) id: 12d90357d6 (このIDを非表示/違反報告)
朝ごはん(プロフ) - ミイミさん» ありがとうございます!!その言葉すごく嬉しいです!泣きそうです!!更新遅くて大変申し訳ありません!これからも頑張りますのでよろしくお願いします! (2020年1月19日 23時) (レス) id: 23fd0a8c8b (このIDを非表示/違反報告)
ミイミ - luz君もあんスタも好きだし、面白いですし!続きが楽しみです!!頑張ってください! (2020年1月19日 20時) (レス) id: e9ee101e23 (このIDを非表示/違反報告)
朝ごはん(プロフ) - セイさん» ありがとうございます!!めっちゃめちゃ嬉しいです!頑張れます!頑張ります!!。゜(´∩ω∩`)゜。 (2019年12月28日 20時) (レス) id: 23fd0a8c8b (このIDを非表示/違反報告)
セイ - こんにちは!いつも楽しく読ませて頂いてます。luzさん大好きなので、luzさんオチの作品うれしいです!もちろんあんスタも好きです!これからも投稿頑張ってください! (2019年12月27日 21時) (レス) id: 82fa48879c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朝ごはん | 作成日時:2019年12月25日 3時