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#2 ページ3

国木田side.



A「太宰さんと会ったのはもう何年も前です」




来客用のソファに案内し、お茶を出した時Aはそう話し出した



彼女がポートマフィアと名乗った時、社内の空気がピンと張り詰めた

しかし、それに気づいたAは争う心算はないと両手を上げて見せたのだ

社長から無闇な衝突は避けるよう言われていたため、手帳から武器を取り出すのをやめた




A「会った頃は会話をする程度でしたが…次第に互いを求めるようになり…」




太宰が来るまで雑談でも、と思ったがどうにも雲行きが妖しい

さっきまでの余裕に満ちた表情は姿を消し、Aは頬を赤らめながらも話し続ける



A「太宰さんは快感に悶える私の首を締め上げ、そして…」


「一寸。勘違いをさせる言い方をしないでくれるかな?A。」




いつ戻ってきたのか、恥じらいながら言葉を紡ごうとしたAの傍に太宰がいた


両手をポケットに突っ込み、Aを見下ろす太宰

面倒なもの見た、とでもいうような顔をしている

奴が女性に対しこんな態度を取るのは稀だ


Aは太宰の存在に気づくと、彼を見上げ口角を上げた




A「やァ…久しぶり、太宰」




先程よりも幾分か低い声

赤らんでいた頬はそんなことすら無かったかのようにまっさらだ

すぐにAが演技をしていたのだと察した




太宰「なにしてるの?」


A「いや、ついつい佳い反応をくれそうな眼鏡クンがいたからサ。わかるでしょ?」


太宰「分かるけど答えになってない」


国木田「おい、太宰」




ちゃんと説明をしろ、と太宰に視線を向ける

それに対し、太宰は肩を竦めてみせた


太宰「まず1つ、私はAを求めた覚えはない。次に彼女に強要された為、やむなく私のほそーい指を彼女の首に這わせ、締めた」




私は悪くない。と無実を主張する太宰

どうにも信じ難い事だが、どうやら本当のことのようだ

Aにとって不名誉であるにも関わらず反論する様子はなかった

むしろあの時は良かったと潤んだ瞳をしていた

関わってはいけない人種だ




A「あ、そうだ。太宰、首領から恋文だよ」




そう言ったAは再び黒い封筒を手元にだした




太宰「うげぇ。そのまま持ち帰ってよ」


A「無理だね。だって私、ポートマフィア馘首(クビ)になったから」



太宰「……なんて??」

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作者名:エバ。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月16日 12時

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