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国木田side.
A「太宰さんと会ったのはもう何年も前です」
来客用のソファに案内し、お茶を出した時Aはそう話し出した
彼女がポートマフィアと名乗った時、社内の空気がピンと張り詰めた
しかし、それに気づいたAは争う心算はないと両手を上げて見せたのだ
社長から無闇な衝突は避けるよう言われていたため、手帳から武器を取り出すのをやめた
A「会った頃は会話をする程度でしたが…次第に互いを求めるようになり…」
太宰が来るまで雑談でも、と思ったがどうにも雲行きが妖しい
さっきまでの余裕に満ちた表情は姿を消し、Aは頬を赤らめながらも話し続ける
A「太宰さんは快感に悶える私の首を締め上げ、そして…」
「一寸。勘違いをさせる言い方をしないでくれるかな?A。」
いつ戻ってきたのか、恥じらいながら言葉を紡ごうとしたAの傍に太宰がいた
両手をポケットに突っ込み、Aを見下ろす太宰
面倒なもの見た、とでもいうような顔をしている
奴が女性に対しこんな態度を取るのは稀だ
Aは太宰の存在に気づくと、彼を見上げ口角を上げた
A「やァ…久しぶり、太宰」
先程よりも幾分か低い声
赤らんでいた頬はそんなことすら無かったかのようにまっさらだ
すぐにAが演技をしていたのだと察した
太宰「なにしてるの?」
A「いや、ついつい佳い反応をくれそうな眼鏡クンがいたからサ。わかるでしょ?」
太宰「分かるけど答えになってない」
国木田「おい、太宰」
ちゃんと説明をしろ、と太宰に視線を向ける
それに対し、太宰は肩を竦めてみせた
太宰「まず1つ、私はAを求めた覚えはない。次に彼女に強要された為、やむなく私のほそーい指を彼女の首に這わせ、締めた」
私は悪くない。と無実を主張する太宰
どうにも信じ難い事だが、どうやら本当のことのようだ
Aにとって不名誉であるにも関わらず反論する様子はなかった
むしろあの時は良かったと潤んだ瞳をしていた
関わってはいけない人種だ
A「あ、そうだ。太宰、首領から恋文だよ」
そう言ったAは再び黒い封筒を手元にだした
太宰「うげぇ。そのまま持ち帰ってよ」
A「無理だね。だって私、ポートマフィア
太宰「……なんて??」
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