検索窓
今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:52,387 hit

#16 ページ17

太宰side


太宰「やァ中也。待たせたね」



待ち合わせ場所に着くと既に中也はきていた

まぁ当たり前だよね

私は態と遅れて来たのだから

その事に気づいているのか、いつもの何割増にも中也の目付きが悪い




中也「Aは?」


太宰「探偵社に置いてきた」




きっと今頃、国木田くんか敦くんあたりを捕まえて話しているだろう

帰ったら置いていったことを怒られそうだ




中也「…なンで俺を呼び出した」


太宰「いつかのように私が勝手に乗り込んで情報を持ち出してもいいというのなら、今からでもそうすることにするよ」


中也「……Aが消息をたったのは、2週間くらい前だ。行方知らずのまま2日経ち、3日目に小包が送られてきた。中身はAの右手だ」




なるほど…

Aのあの右手はやはり切り落とされてたのか


彼女の手は無論傷が多い

だから彼女を知る人物なら手だけ見ても判別はつく

だけど中也は断言をしている

恐らく指紋も確認したのだろう




中也「…ご丁寧にメッセージ付きだ。『解き放たれし神に別れを』だとよ」


太宰「神ねぇ…」




Aのどこにそんな所を見出したのか

あんな神なんて願い下げだね





太宰「送り主は特定できているのだろう?」


中也「あァ。今は泳がせてAの身体を探してる…手前の出番はねぇよ」


太宰「そうは言われてもね…どうやらAは、私に身体を見つけて欲しいようだ」




「懇願された」と伝えると、中也の眉がピクリと動いた

それから何かを耐えるように口の端を噛み締めた

あの中也がイラつきを抑えているようだ




太宰「Aのことになるとちびっ子も男になるのだね」


中也「黙ってろッ!手前が思ってるより彼奴は脆いんだッ!手前のせいで彼奴がどんだけッ…!」


太宰「…Aが脆い事など知っているよ」




彼女が強い人間であったなら、態々痛みで自分を確認するようなことしないだろう…

それくらいのことなら…流石にわかる…

#17→←#15



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
78人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:エバ。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年5月16日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。