#16 ページ17
太宰side
太宰「やァ中也。待たせたね」
待ち合わせ場所に着くと既に中也はきていた
まぁ当たり前だよね
私は態と遅れて来たのだから
その事に気づいているのか、いつもの何割増にも中也の目付きが悪い
中也「Aは?」
太宰「探偵社に置いてきた」
きっと今頃、国木田くんか敦くんあたりを捕まえて話しているだろう
帰ったら置いていったことを怒られそうだ
中也「…なンで俺を呼び出した」
太宰「いつかのように私が勝手に乗り込んで情報を持ち出してもいいというのなら、今からでもそうすることにするよ」
中也「……Aが消息をたったのは、2週間くらい前だ。行方知らずのまま2日経ち、3日目に小包が送られてきた。中身はAの右手だ」
なるほど…
Aのあの右手はやはり切り落とされてたのか
彼女の手は無論傷が多い
だから彼女を知る人物なら手だけ見ても判別はつく
だけど中也は断言をしている
恐らく指紋も確認したのだろう
中也「…ご丁寧にメッセージ付きだ。『解き放たれし神に別れを』だとよ」
太宰「神ねぇ…」
Aのどこにそんな所を見出したのか
あんな神なんて願い下げだね
太宰「送り主は特定できているのだろう?」
中也「あァ。今は泳がせてAの身体を探してる…手前の出番はねぇよ」
太宰「そうは言われてもね…どうやらAは、私に身体を見つけて欲しいようだ」
「懇願された」と伝えると、中也の眉がピクリと動いた
それから何かを耐えるように口の端を噛み締めた
あの中也がイラつきを抑えているようだ
太宰「Aのことになるとちびっ子も男になるのだね」
中也「黙ってろッ!手前が思ってるより彼奴は脆いんだッ!手前のせいで彼奴がどんだけッ…!」
太宰「…Aが脆い事など知っているよ」
彼女が強い人間であったなら、態々痛みで自分を確認するようなことしないだろう…
それくらいのことなら…流石にわかる…
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