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ポートマフィア・尋問室にて―――
薄暗い部屋に断末魔のような男の悲鳴が響き渡る
上司の指令で部屋を訪れていた黒服は、耳を塞ぎたくなるのを堪えながら部屋の奥へと足を進めた
悲鳴を上げていたのは捕虜として捕らえた他組織の構成員
椅子に座らされ手足を拘束され、目隠しをされた男は、どうやら気を失っているようだ
黒服が男の姿を見る頃には、滝のような汗をかきぐったりとしていた
『いいところにきた。コレを首領へ』
暗闇から差し出されたのは男が吐いた情報が書かれた紙だ
黒服は何も言わずにそれを受け取ると足早に部屋を後にした
長居は無用だと心得ていた
『さぁ、仕事は終えた。ここからは私の興味だ』
そう言って暗闇から姿を現したのは一人の女性
女性の割には背が高く、闇色の瞳をしていた
にこやかに笑う女性は、男の前に置いてあった椅子に腰かける
しかし気を失っている男からの反応はない
『…無視されるのは嫌いなんだ』
女性が一言そう溢すと、男がうめき声をあげ意識を取り戻した
男の様子に口元を緩める女性
『教えて欲しいの。恐怖ってなに?痛みってなに?教えてくれたら望みを1つ叶えるわ』
そう言う彼女の瞳は、新しい玩具を貰った子供のように輝いていた―――
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