検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:127,419 hit

第弐拾参話 ページ24




微かに息を呑む音が聞こえた。

もしかして……なんて思っている内にゆっくりと善逸君の手が頬に触れる。
さっきまではあんなに距離があったのに、今はその両手が私に触れている。


「い、いい……かな?」

「…っいいよ」


更に近づく顔に、少し慌てて目を閉じる。


もう私だって子供じゃない。

そういう雰囲気くらいは感じ取れて―――
だから、これはわかった上で了承をしたのだ。


覚悟を決めた直後、唇に温度を感じた。



きっと、ほんの数秒のことだった…
なのに私はそれが凄く長く感じられた。

楽しい時間や嬉しい時間はあっという間というけど……
なんだ、全然違うじゃん。


「あはは……接吻、しちゃったね…」

「う、うん……」


また始まりそうだった沈黙に耐え切れず、ただ事実だけを口にした。

照れているのが見え見えだけどそれは善逸君も同じ。
自分からした癖に……




「もうそれ以上のことしたはずなのに……なんで緊張してるんだろうね〜」


でも、そうだ。
私たちはあの日―――付き合う以前に既に事を済ませた。

確かに記憶は一切ないけど、だからって接吻でここまで恥ずかしがる理由が___


「え?」

「……え?」


「「え???」」


そう思っていたのに私たちの間に連なる疑問符。
……あっ、なんだかもう嫌な予感がしてきたぞう?




「…え?致したんじゃないの?」

「致す??……いた――――ううんっ?!」

「……えっ、なに?じゃあ君はなんの責任を…____」




―――どうやら私たちの間では大きなすれ違いが起きていたらしい。



第弐拾肆話→←第弐拾弐話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (227 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
396人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リンゴ味のブドウ - え、あ、もう、好きです (2020年10月31日 20時) (レス) id: 8dfd0cadf9 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ - それな!! (2019年9月15日 23時) (レス) id: fa8cdcdbb1 (このIDを非表示/違反報告)
藍恋(プロフ) - 好きです。ていうか何があったか知りたくて眠れないです。 (2019年9月15日 20時) (レス) id: b8dca656ce (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:自宅警備員先生 | 作成日時:2019年9月9日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。