前世の思い出と供に【アルネの事件簿】

9話 ページ9

アスター「もし、俺に能力があるんだったら……。
それは、きっと、他の種族になれる……のか…？」
試しに、鏡を覗いてみる。


ジシェは鏡の中にいた。鏡の中だったら、どうやって元に戻るのかわからないなぁ……。
でも、狼……。狼……、オオカミ………



心の中で呟いてみた。狼、狼になりたい、と。
アスター「おおおおおお！！
耳と尻尾ある！！モフモフ！可愛い！！！！」


鏡を覗いてそうやって叫んではしゃいでいる俺を思い出すと、物凄く恥ずかしかった。
でも、これで確定だろう。俺は他の種族になれるんだ！！


人間になったからには、この町(？)を思いっきり探索してみたくなった。
と、いうことで、ふらふら散歩していた。

久々の運動が楽しすぎて、気がつけば草原らしき場所まで行ってた。
木に手をかけて、ひょいと登る。


木の枝に腰掛けて空を見上げた。
雲はゆっくり進み、太陽が雲の隙間からちらちら見える。

今は昼だろうか、お腹がすいたなぁ……。


「そこで何してるんですか？」
アスター「空を見上げているだけだけど？
……よく登れたな、ここまで」

相手の顔を見ずに言った。相手は誰だろうか。


アスター「君、名前は？」
「リン・ラインヴァイスです！」


ど、どうやら俺は、主人公(しかも幼少期)に会ったらしい。

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