消えた記憶2

7月31日 ページ1

ーー病院

『あ、ここ。病院か。走っちゃったから…』

先生「Aちゃん、目覚ましたかい？」

『あ、はい。』

先生「痛いとこはない？」

『大丈夫です。』

先生「そっか。…走ったのは無意識？」

『はい。気づいたら倒れてそういえば走ったなって』

先生「ちょっとね、婦人科の先生に聞いたけどその前にも激しい運動してしまったんだね」

『あ、あれは！…私したくなかった…』

先生「ご、ごめん、責めようとか思って言ったんじゃなくて通院出来ないかなって」

『今の家は遠いから通院は…』

先生「もしかしたら激しい運動をしたせいで重病度が上がったかもしれない」

『そうですか…。それって命に関係ありますか？』

先生「運動が激しいだけに命に関わらないとは言いきれないよ。」

『私、周りが走ってる姿みてると辛くなるけど自分のこと不幸な人間とか思ってないですよ、…でも命に関わる程ひどくなったら不幸な人間ですね。』

先生「Aちゃん？」

『私まだ死にたくないです。でも、学校も休みたくないです。どうすればいいですか？』

先生「検査入院して様子を見よう」

『…はい。でも7月31日は球場に行きます。試合を見に行きたいんです』

先生「それは…」

『お願いします…、もし悪化してたらここで行かなかった時すごい後悔してしまいます』

先生「…考えとくよ」

『お願いします！』

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