【銀魂】志村家長女が、真選組局長と結ばれまして。【近藤勲】

最大難関直面？ ページ42

〜貴方side〜


勢いに任せ頑張るとは言ったものの、正直不安でしかない。
せめて、足を引っ張らないようにしなくては…
そう1人で気合いを入れている間に話は進み、係員の方がうきうきしながら声を上げた。


「それでは、最初のミッション！！
ドキドキ！愛のハートドルフィン！」


最初のチャレンジは、館内の何処かに隠された"尾びれがハートになっている"イルカのぬいぐるみを、なるべく多く見つける事。イルカは全部で10こ…10匹いるそうだ。
但しその際、必ず手を繋いだまま探す事。
離した瞬間、即失格になるそうだ。

最初から無理そうなチャレンジが…
がくっと気分が沈んだ私に対して、隣の近藤さんは、顔がどんどん赤くなっていった。
そんな彼の顔を見た瞬間、背中が熱くなり、ばっと視線を逸らした。

開始宣言直後、私達以外の組は一斉に駆け出していた。
何の躊躇いもなく手を繋いだ様子を見て、胸がドキッとした。


「しまった、出遅れた！…あ、じゃあ、Aさん、その……手を…」

「は、はい…」


まだ手を繋ぐ事すら抵抗がある私達だけど、今は少しだけ、前より自然に繋げた様な気がする。
お互い、手が熱い事に気付かぬ振りをして、息を合わせて駆け出した。




私達が最初に足を運んだ場所は、実際に海の生き物と触れ合う事が出来る、"ふれあいコーナー"だ。
水色や黄緑など、明るめの寒色を使っており、明るい雰囲気になっており、親しみやすい場に仕上がっている。

だから、こんな明るい場所にイルカがいる可能性は極めて低いだろう。

だが…


「ここら辺とか無いかな…Aさん、何か見えますか？」


こうやって、照れて顔を背けながらも、一生懸命探している彼を見ていると、何故かある気がして仕方ないのだ。

そんな彼を微笑ましく思いながら、私も負けじとイルカを探す。


「……あの、Aさん、1つ言っても良いですか...？」

「え？あ、はい、何ですか？」


そう聞き返した瞬間、彼の手が一気に熱くなった。
もしかして、具合が悪くなったのだろうか…
彼の方へ振り向き、肩に手を置こうとした瞬間、ずっと下を向いていた顔がばっと上がり、汗が顔を伝ったのが見えた。


「もしッ！夫婦で参加するなら…"共同作業"…って事になるんですよね……」

「え……あ、」


気付いた直後、私の全身は熱くなり、終いには手汗まで出て来てしまった。
そしてそっぽを向き、何事も無かったかの様にまた探し始めた。

幻想的パフォーマー→←イベント開催

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す