木舌＊酔い(1) ページ37
｢あれ、赫坂お酒呑んでるの珍しいね｣
｢…まぁ｣
今日普段滅多にお酒を呑まない私だが今日はなんとなく呑んでいる。
だが木舌ほど強くはないし、ビールや日本酒は好きではないので甘いカクテルを呑んでいる。
まぁそれでもこれで3杯目だが。
｢それなに呑んでるの？｣
｢今はファジーネーブル。オレンジジュースが賞味期限近かったのと炭酸あまり好きじゃないから。その前はカルーアミルクとカシオレ飲んでた｣
｢そうなんだ。ねぇ、おれも一緒に呑んでいい？｣
｢いいよ、どうせならお酌してあげようか？｣
｢えっ、ほんとに？じゃあ美味しいの用意してくるね〜、なんかおつまみとかいる？｣
｢んー、じゃあなんか適当に｣
｢了解｣
そう言って木舌は出ていった。
しばらくして
｢お待たせ〜、さっ、よろしく｣
戻ってきた木舌のおちょこに冷酒を注ぐ。
それを呑んでジジイみたいにあ〜と言って
｢いや〜、やっぱり女の子に注いでもらうお酒は一段と美味いねぇ｣
｢そりゃよかったね｣
木舌が飲んでるのは辛口の冷酒。そういえば、木舌は私と反対でカクテル系を呑んでるのは見たことがない。
｢そういえば木舌って、いつも日本酒とかしか呑んでないけど、カクテルとかは飲まないの？｣
｢んー？あぁ、カクテルね、あんまりお酒って感じしなくて惹かれないんだよね。ジュースみたいだからあんまり酔えないんだよね｣
｢あー、なるほどね｣
｢おれすぐ楽しくなりたい人だからさ〜｣
｢それ言い方によっては変な人だけど大丈夫？｣
｢ははは、大丈夫大丈夫｣
ヘラヘラしながらもう一杯呑む木舌。
｢逆に赫坂はいつもカクテルだね？｣
｢私は木舌の反対。あんまり強くないし、甘いの好きだから。さっきも言ったけどサワーとかはあんまり飲まないけどね｣
｢なるほどね｣
｢…でも、その日本酒気になる｣
｢呑んでみるかい？｣
｢うん、そのおちょこ1杯分だけ｣
そう言うと木舌はついで渡してくれた。
それを1杯呑んでみる
｢……苦い｣
｢あはは、苦手な人からするとそうかもね｣
あまり美味しいとは感じなかった。やっぱり強い人は好きなのだろうか
｢ねぇ、赫坂のも1口ちょうだいよ｣
｢え？あぁ、いいよ｣
そう言って渡すと、木舌は1口飲んだ。
｢…うん、甘い｣
｢木舌のと比べるとね｣
…まだ日本酒の味が口の中に残ってる
｢…木舌、舌が大人だね｣
｢そう？ありがとう。あ、そういえばさー
さっきのって関節キスだよね〜｣
ケラケラと笑いながら木舌は冗談っぽくそう言った
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作者名：ある人 | 作成日時：2021年1月15日 0時
