赤髪の教主 (ページ4)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:3,770 hit

3 ページ4

水はとても澄んでいた。
近くに湖があって助かった…そう思った。

「……これから先、どうすれば…何故あんなことに…」

そうだ、よく考えれば夢の始まりがあまりにも中途半端というか意味がわからない所で始まってしまったのだ。

そして夢の中だと言うのに、私はあの青年を助けた、あの人を教主様と呼んでいた。

まず訳が分からないだらけだったが、この姿を見ると自分の姿をしていない事に気がついた。
なら話は簡単に進む。

つまりはこういう事だろうか、
私は今誰かの過去？か何かの一部を見ているため、自分の姿をしていない。
そしてその教主様はこの娘にとって、大切な存在、または特別な感情を抱いていたため、体が勝手に彼を助けた…。
という事だろうか？

あぁわからないな。私は頭を抱える…。
取り敢えず水を汲み、彼の元に帰ろう。
そう思い、小屋に帰る途中声が聞こえた気がした。

「……貴方が、代わりに……教主様を…助けて下さい…お願いします…」

私は背筋が凍った感覚を覚えた
もし私がさっき考えていたことが本当なら、これは夢から覚めることはないんじゃないのか？と、思うと同時に不安や焦りが湧き上がってくる。

まずいのでは、ないのか？
そんなことを悶々考えていると、小屋に着いてしまった。

小屋に入ると、青年は倒れていて私を呼んでいた。

「教主様…！？…しっかりしてください…！私ならここにいます…！ごめんなさい…教主様！！」

「……君は…あぁ…君か……よかった…君がまだいた…」

顔が真っ青になる、目が不自由なのだ、それは不安しかないのは分かっていたが、流石に耳しか頼りにならないからさらに怖いだろう、追っ手が来ないとも言ってないし。

怖かったのだろう。それは手の震えでよく分かっていた。

「…教主様…本当にごめんなさい…もうあんな事しません…だからもう安心して下さい…」
私は水を汲んであった置物を置いて彼を椅子の上に座らせようとした。

「……あまり1人にさせないでくれ…」

彼は私の手を強く握りながらそう言った。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
作者の一息コーナー
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

今回はアルガディアンについて。

年齢:不明
性別:女
趣味:世話焼き、唄

文字数が残り少ないので次回をお楽しみください