41*せめぎ合わせる ページ42
黒尾side
「てーっちゃん、ここで寝ても良い?」
家に着き、自室隣の客間をいつも通り使ってもらう様に案内し、寒いだろうから先に風呂に入らせ、次に自分も入浴した。
もう寝たか?そう思うも起こしたら悪いから声を掛ける事無く部屋に戻って来た数分後に聞こえたノック。
返事をし、開いたドアからひょっこり覗いた化粧を落とした顔と上記の言葉。
「あ、布団は別々で大丈夫!隣から持ってくる。」
良いよ、なんて言ってないが客間に戻り、掛け布団を持ってき、また戻るから一緒に行き敷き布団を持ってやり、ベッドの隣に並べた。
「ありがと。徹も居ないし、今夜はてっちゃんと一緒にいたいなぁって。」
言葉の意味はちゃんと分かってんのか…
いやいや、おいかー君居なくて寂しいからか?
布団の上ではストレッチとか始めるから、その様子を眺めた。
「今回シャンプー忘れちゃっててっちゃんの借りちゃった。ありがとね」
「髪ゴワゴワなったりしてない?」
メンズシャンプーだ、女の子が使うものとは違う。
ただでさえふわふわで柔らかい髪。
伸ばした手で触るも、ほんとに同じの使ったのか?と思うほどにふわふわのまま…
「髪強いって美容院で褒められるくらいだからゴワゴワしてないよ。てっちゃんはお風呂上がりだから髪上がってないね!」
「朝起きたらいつもの俺に戻るから安心して下さい。
Aは本当に髪キレイでいいな」
「へへー、ケアとかちゃんとしてるから褒められるの嬉しー。てっちゃん長いの好きなんでしょ?やっくん言ってた」
すっぴんのせいか、眠気のせいか、笑う顔がいつもより幼く見える。
胸を隠すくらいの茶色の髪は動く度に揺れてて、好きだなと思っていた。ロングが好きだけど、Aならショートでも可愛いだろう。寧ろ、見てみたい気もする。
「ロングかショートかで聞かれたそう答えるが、Aならどっちでも似合うんでない?」
「うん。どっちも可愛いと思う。
ふわぁ〜眠たいね。」
大きく開いた口を手で隠し、欠伸をしもそもそと布団に入り丸まる。
シーツに広がる長い髪とか、同じシャンプーなのに匂いが少し違うとか、好意を伝えてる健全な男子高校生の部屋で寝るとか警戒心無いのとか。
「まだ眠くないの?」
「わざとやってる?
流石に好きな子と一緒の部屋で寝るっつーのはさ…」
「なら一緒に寝よ?」
広げられた両手も、にっこり笑う形の良い唇も、俺は試されてるのかもしれない。
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モカ(プロフ) - ぽぽさん» コメントありがとうございます🩷全部読んで貰えて嬉しいです!映画見たら再熱して久しぶりに帰ってきました😄もだもだしてる恋愛話になりますが、お付き合い頂けると有り難いです✨ (3月4日 20時) (レス) id: 82c75c460a (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - 文章がおかしくなってしまいすみません🙇♀️陰ながら応援しています!! (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - コメント失礼します。モカ様のHQの作品に魅了されて2、3年前にすべて読破しまして、見覚えあるタイトルに惹かれて拝見したらモカ様の作品でとても驚きました ; ; 今作も大好きです😽💖 (3月4日 18時) (レス) id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モカ | 作成日時:2024年2月28日 10時