英雄と汚れてる私｡~second~

十九話 ページ21

好き､すき､スキ



文字で表すのは至極簡単なのに､



それを伝えるのは難しくて｡



それを見て笑ってた私も



それに囚われた｡



｢……会いたいなぁ｡
また､あんな"ふつう"の日々に戻りたい｡｣



"ふつう"であることは私にとって



とても大切で羨ましい､



でも難しいことで｡



きっとまた､失敗したんだ｡



今回だって………


レンのことだって｡



『もしも夢が覚めなければ


　姿を変えずにいられた?


　解けた指から消える温度


　血を巡らせるのは



　誰の思い出?



　雨に濡れた廃線


　煤けた病棟


　並んだ送電塔


　夕暮れのバス停


　止まったままの観覧車


　机に咲く花 君の声も何もかも


　
　最初からなかったみたい＿



　死にたい僕は今日も息をして


　生きたい君は明日を見失って


　なのにどうして悲しいのだろう



　いずれ死するのが人間だ



　永遠なんてないけど


　思い通りの日々じゃないけど


　脆く弱い糸に繋がれた


　次の夜明けがまた訪れる



　どんな世界も君がいるから


　生きていたいって思えたんだよ


　僕の地獄で君はいつでも


　
　絶えず鼓動する心臓だ


　
　いつしか君がくれたように


　僕も


　誰かの心臓になれたなら＿＿ 』




愛を､ください｡




..

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