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15.球の魔術師 ページ17

 

 

その場にいる大半の者が

舌を巻かずにはいられなかった。

 

 

 

1年。

 

女。

 

 

 

どう考えても不利なものばかりが多い雪永が

今のところ、

誰一人として走者を出さずに

2アウト2ストライクまで

相手を追いこんでいるのだからだ。

 

 

どうして彼女がそこまでの驚異的な

プレイができるのか。

 

そのポイントは3つ。

 

1つ、

それは、豊富な球種。

 

2つ、

キレの劣ることはない抜群のコントロール力。

 

3つ、

その持ち味を活かす御幸一也という存在。

 

 

この3つが今まさに

奇跡の状況を生み出しているのだ。

 

 

そんな迫力のあるプレイに

相手側の監督も、おおっと声をもらす。

 

 

「1年の女子を出してきたときは試合を捨てたかと思ったが…、ここまでやってくれるとは。あんな子、ここらのリトルにいたかね?」

「いえ、どうやら彼女は今年の春にこっちへ引っ越してきたようです」

「なるほど、どおりで聞かない名だ」

 

 

 

マウンドでは江戸川バッテリーが

サインをちょうど決めたようだ。

 

1球目はアウトコースの際どいところへ、

ストライクが極る。

2球目もさらにアウトコース。

しかしこれはボール。

そして、3球目はチェンジアップでストライク。

 

 

相手の苦虫を噛み潰したような顔に

雪永と御幸は口角を上げて

悪魔のような笑みを浮かべる。

 

迷え、迷え!!

焦る度に命取りになるというのに

バッターは打たなければと前のめり気味だ。

 

 

そうとなれば狙うは__

 

"インコース"

 

 

雪永が投球フォームに入る。

 

決して太いとは言えない細身の体。

ムチのようにしなる長い腕。

そこから放たれる球は力強く、

パァンという気持ちのいい音を立てて

ミットに吸い込まれていった。

 

 

 

「ストライクッ、3アウトォ!チェンジ!!」

 

雪永「よしっ!」

御幸「ナイピーッ雪永!」

「いいぞぉー!雪永ぁー!!」

 

声援を受けて雪永が

キラリと輝く笑顔を返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

「………雪永Aか。…アイツはぁー、まるで……"球の魔術師"だな」

 

いったい誰が言ったのか。

 

それは定かではないが、

しばらくするとその名は

各地に広まるのだった。

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(プロフ) - インドアガールさん» ありがとうございます。男子の中で、というのはどんなことでも大変ですよね。それでも負けたくないという気持ちは誰だって持っていると思います。それでは、高校生編もよろしくお願いいたします。 (2015年11月20日 14時) (レス) id: f5a2c4e37d (このIDを非表示/違反報告)
インドアガール - 中学生編すっごく面白かったです!私も小学校の時男子の中でソフトをやっていたので、夢主ちゃんとおんなじ気持ちでした!高校生編も楽しみにしてます!更新がんばってください! (2015年11月19日 17時) (レス) id: a7c8686512 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 満月さん» ありがとうございます。高校生編はもうしばらくお待ちください。これからもよろしくお願いいたします。 (2015年11月17日 21時) (レス) id: f5a2c4e37d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あまねもちさん» ありがとうございます。この小説が少しの勇気に繋がってくれたのであればとても嬉しいです。今後もよろしくお願いいたします。 (2015年11月17日 21時) (レス) id: f5a2c4e37d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - miririnさん» 嬉しいコメントをありがとうございます。少しでも読者の皆様に楽しんでいただければ幸いです。今後もよろしくお願いいたします。 (2015年11月17日 21時) (レス) id: f5a2c4e37d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年9月30日 17時

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