【気象/無限】ミニマムな奴ら!!

彼についての考察4 ページ4

ずぶりと記憶の淵からこちら側に戻ってきた。

テレビの中の翔ちゃんは、キリッとした綺麗な顔で原稿を読んでいる。


がんばらなきゃ壊れそうだと

彼はあの時そう言った


翔ちゃんが頑張ってくれるのは
メンバーのためであり、ファンのためであり
スタッフのためであり、自分のためである

それが知らないうちに彼の首を絞めている。
気が付かないから、走り続ける。


最近はあの頃よりは人を頼る術をを覚えたらしく、偶に甘えられる。
それが素直に嬉しいし、もっと甘えてくれとも思う。


目を閉じて、あの頃の翔ちゃんに言う。

少しは、分けて欲しい、努力も辛さも。

愚痴だって吐いていい
泣いたっていいから、
ゆっくりでいいから、みんなで。


まあでも、彼はやっぱり

「変わんねぇよなぁ、」

と、苦笑して目を開け、テレビに目を向けると
丁度番組が終わり、深々と礼する彼の姿が見えた。

あと1時間くらいしたら帰ってくるであろう彼。

晩酌用に、翔ちゃんの好きな魚を捌いてやろうか、とテレビを消してキッチンへ向かった。



.

.

.

「只今帰りましたよ」
「翔ちゃん、お疲れさまぁ」
「智くん何？どしたの？やけに機嫌いいね」
「んふ、何でもない」


考察ののち、晩酌。
(それと、彼を頂こう)

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