最期の時 ページ14
和「そういう訳にはいかないんですよ。
俺達、人狼は勝たなきゃいけないんですよ！！」
彼は安田さんにそう告げると銃を私達に突き付けてきた
和「安田…そこを退いて下さい。
貴方が彼女を殺れないなら私がやります。」
章「……嫌です。
何で、そこまで勝ち負けにこだわるんですか？
別に俺達が自首をしても死ぬ訳やないんやからもう自首して祀り終わらせましょうよ…。」
和「安田は何にも知らないんですね…。
人狼である俺達か守護者である奴等のどちらかが死なない限り、祀りは終わらないんですよ。
そうなったら俺は死にたくない。
だから安田…。
Aちゃんを俺に殺られたく無かったら貴方がやって下さい。」
章「……俺は人狼の前に1人の人間や。
Aちゃん…。
このナイフで俺を殺して。
俺、Aちゃんになら殺られても良い。」
そう涙を流しながら彼は落ちたナイフを拾って、そのナイフを私の手に握らせた
「……安田さん…。
私にそんな事、出来るはず無いじゃないですか！！
私は安田さんとこの村を出たいんです！！
私には貴方が必要なんです…。」
私の目には涙が溢れた
彼を殺して自分だけ生きるなんて出来ない
でも確かに二宮さんが言う様に、どちらかが全滅しないと祀りは終わらない
なら、一番良いのは…
「……分かりました。
その代わり…後を追います。
大野さん、大倉さん…後は任せました。
安田さん…ありがとう…。」
そう言って私は安田さんを…
でも…
出来なかった
ナイフを持った手は震えていて彼の体から後、数センチのとこで止まった
目からは涙が次から次へと溢れていく
「安田さん…。
私、やっぱり…(グサッ…
私の手が一瞬にして赤く染まっていく
一瞬、私は何が起こったのか分からなかった
頭が真っ白になって言葉が音を出さない
やっと周りが見えた時には安田さんはグッタリしていて、その側には安田さんに寄り添っている大倉さんが見えた
私はパニックになり急いで彼の元に駆けつける
「私…私…何て事…。」
彼は最後の力を振り絞りながら小さな声で私に話しかけてくれた
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作者名：和也☆章大☆忠義Love | 作成日時：2016年10月3日 20時
