検索窓
今日:12 hit、昨日:86 hit、合計:38,949 hit

番外編2 ページ23

ギャップにドキドキする話
※Aが日本に戻ってきた頃の話


その日はシンフォニーとしての仕事があって、疲労がすごかった。
いつもはちゃんと自炊するんだけど、たまにはいいか、と思ってコンビニで色々買ってしまうほどには。
日付が変わりそうな時間で、いくら都会とはいえあんまり人通りもない。
早く帰ろ〜と思いながら歩いていると、見覚えのある人を見つけてしまった。
フードを目深に被ってるけど、多分あれはヒロだ。
…組織の仕事中かな、なら声をかけなくてもいいか。


黙って通り過ぎようとしていると、彼が振り向いて思いっきり目が合ってしまった。


『…元気?』


流石に無視できなくて、でもなんて声をかけたら分からなくてそう言えば、ヒロはちょっと笑って頷いた。
辺りを見回して、誰かに見られてることはなさそう、と思いながら彼に近付いた。


『仕事中?』


「まぁね。多分この辺危なくなるから、早く帰りな」


『……着いて行ってもいい?』


「話聞いてたか?」


…今日の仕事はいくら慣れてても気分がいいものではなかったから、少しでも一緒にいたかったんだけどな。
まぁ向こうも仕事中だし仕方ないか。
諦めようとすると、「悪い、こっち」といきなり手首をつかまれて、走るかたちになる。


『ごめん、声掛けたせいで』


「違うよ、向こうが予想外の動きしただけだから。…それに」


『ん?』


「…いや後で話す」


雑居ビルの屋上に着いて、ヒロはスマホに何かを入力しながらライフルを取り出した。
…そういえば、彼がこれをちゃんと使ってるところを間近で見るのは初めてだ。
いつものどこかふわふわした柔らかい雰囲気とは全然違い、真っ直ぐスコープを覗く瞬間は、ピリッとした空気を纏い、殺気が隠せていない。


…不謹慎かもしれないが、結構心臓に悪いな、これ。
私やレイが意図的に作っているように「スコッチ」も口調や雰囲気は意図的に変えているのだろうか。
なんとなく照れくさくなって直視できないでいると、彼は彼で自分の仕事を終えたらしく、またどこかに電話をかけていた。それも終わると、ヒロは私の傍に寄ってきて。


「…ごめん、怖がらせたかな」


『え?』


「なんとなく1人にさせない方がいいかなと思って勝手に連れてきちゃったけど。余計に怖い思いさせたかなって」



ヒロが見れないのをどうやら勘違いされたっぽいな…?

-→←-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (109 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
567人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年6月12日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。