番外編2 ページ23
ギャップにドキドキする話
※Aが日本に戻ってきた頃の話
その日はシンフォニーとしての仕事があって、疲労がすごかった。
いつもはちゃんと自炊するんだけど、たまにはいいか、と思ってコンビニで色々買ってしまうほどには。
日付が変わりそうな時間で、いくら都会とはいえあんまり人通りもない。
早く帰ろ〜と思いながら歩いていると、見覚えのある人を見つけてしまった。
フードを目深に被ってるけど、多分あれはヒロだ。
…組織の仕事中かな、なら声をかけなくてもいいか。
黙って通り過ぎようとしていると、彼が振り向いて思いっきり目が合ってしまった。
『…元気?』
流石に無視できなくて、でもなんて声をかけたら分からなくてそう言えば、ヒロはちょっと笑って頷いた。
辺りを見回して、誰かに見られてることはなさそう、と思いながら彼に近付いた。
『仕事中?』
「まぁね。多分この辺危なくなるから、早く帰りな」
『……着いて行ってもいい?』
「話聞いてたか?」
…今日の仕事はいくら慣れてても気分がいいものではなかったから、少しでも一緒にいたかったんだけどな。
まぁ向こうも仕事中だし仕方ないか。
諦めようとすると、「悪い、こっち」といきなり手首をつかまれて、走るかたちになる。
『ごめん、声掛けたせいで』
「違うよ、向こうが予想外の動きしただけだから。…それに」
『ん?』
「…いや後で話す」
雑居ビルの屋上に着いて、ヒロはスマホに何かを入力しながらライフルを取り出した。
…そういえば、彼がこれをちゃんと使ってるところを間近で見るのは初めてだ。
いつものどこかふわふわした柔らかい雰囲気とは全然違い、真っ直ぐスコープを覗く瞬間は、ピリッとした空気を纏い、殺気が隠せていない。
…不謹慎かもしれないが、結構心臓に悪いな、これ。
私やレイが意図的に作っているように「スコッチ」も口調や雰囲気は意図的に変えているのだろうか。
なんとなく照れくさくなって直視できないでいると、彼は彼で自分の仕事を終えたらしく、またどこかに電話をかけていた。それも終わると、ヒロは私の傍に寄ってきて。
「…ごめん、怖がらせたかな」
『え?』
「なんとなく1人にさせない方がいいかなと思って勝手に連れてきちゃったけど。余計に怖い思いさせたかなって」
ヒロが見れないのをどうやら勘違いされたっぽいな…?
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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/
作成日時:2022年6月12日 17時