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なにがあと少しなんだよ、と思いながら去っていく親友の後ろ姿を見送りながら首を傾げる。
それから少しした頃だった。
バーボンと2人でアメリカでの仕事をすることになったのは。


「今日ご一緒する方ってどんな方なんですか?」


バーボンが派手な金髪をしたベルモットに声をかける。
俺はまさか初めての海外が組織での仕事になるとは思わなかった、と思いながらついあちこちキョロキョロしてしまう。
雑誌やテレビで見かけたような街並みが広がっているし、すれ違うのはみんな外国人だし。…当たり前だけど。


「どんな…形容しがたいわね」


「この組織、イカれた人が多いのでそうなのかそうじゃないかだけでも聞かせてください」



…ずいぶん踏み込むな。
それにしても、「バーボン」はベルモットと面識があるみたいで、やけに親しげだ。


「少なくともあなたよりは普通じゃないかしら?バーボン」


「なるほど」


…こいつ、納得してる風だけど、本当に分かってるのかな。
俺は全然意味わかんなかったんだけど。


ホテルに着いてベルモットの後ろを歩きながら、今日一緒に仕事をするらしい部屋に向かう。


「仕事の内容、彼女は覚えてるかしらね」


「ちょっと、なんですかそれは」


「そういう人間なの。やる気なさそうで、何事も右から左。まぁやることはやるタイプだから、心配する必要ないわよ、多分」


ベルモットがそういうのを聞いて、もしかして、と思う。
少し前に聞いたアメリカにいる美人な幹部だったりするのだろうか。
零はあれ以降なにも教えてくれなかったし、基本的に日本にいるやつがアメリカの幹部のことなんか知るわけないから、彼女の噂も聞くことはなかった。…そもそもコードネーム持たないやつが上のこと大っぴらに探れないし。


「ちょっと、出ないんだけど。何してるのよ」


インターフォンを鳴らしてもなんとも言わないドアに文句を言いながらベルモットはスマホを取り出してなにかを喋りだした。
さっきまで日本語だったのに、急に英語になるから驚く。
少ししてドアが開く。姿はまだ見えないけど、部屋の奥から聞こえた声。

ねぇなんでこんな所にいるの、とか言いたいことは色々あるけど。
2年間ずっと聞きたかった声が聞けて、姿を見れば警察学校にいた頃よりずっと可愛くて綺麗になってて。
そりゃ日本に噂が流れるよ。
変なとこで嬉しくなってしまったから、これが惚れた弱みかもしれない、なんて思う。

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LieN - この作品すごく好きです!!更新楽しみに待ってます!!(o^∀^o) (2022年6月21日 14時) (レス) @page8 id: ece7746fe0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨宮 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/aroute1351/  
作成日時:2022年6月12日 17時

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