175本目〜進化作戦その２、ゆきおんな〜 ページ29
ゆきおんなside
ふ「........どう？お父さんの言うこと、ちゃんと聞いてる？」
ゆ「うん、ちゃんと聞いてるよ。昨日もお手伝いしたんだ」
元祖の陣にある病院の一室で、私はお母さんのお見舞いをしていた。
私のお話を楽しそうに聞いていたお母さんはふと、悲しそうな顔をした。
ゆ「.......あ、それより聞いてよお母さん。なんかね、私目が可笑しいの」
ふ「目？どんな風に？」
ゆ「なんかね、近くは見えるけど遠くがボヤけるの」
そう言って目を指差した。するとお母さんは眉を潜めてこう聞いてきた。
ふ「ゆきちゃん、また暗い所で本読んでたでしょ？」
あ、バレた。
私はお家に居るとき、よく暗い部屋で絵本を読んでいる。そして昨日も読んでいた。
ふ「もう、しょうがないな〜。病院の先生に注射して貰わないとね」
ゆ「え.......」
イヤだ。注射だけはやりたくない。
あぁ、こんな事になるなら暗い部屋で本読まなきゃ良かった.......
ダラダラと変な汗を流していると、お母さんはぷっと吹き出した。
ふ「ふふっ。嘘よ、嘘。ちょっとそこの引き出し開けてくれる？」
ゆ「これ？」
お母さんに言われるまま、近くにあった棚の引き出しを開けると、中から青色のメガネケースが出てきた。
それをお母さんに手渡すと、お母さんは蓋を開けて中から水色縁の眼鏡を取りだし、私に掛けた。途端、遠くのボヤけた景色が鮮明に映った。
ゆ「あ、治った！」
ふ「レンズの度は丁度良いみたいね。今度からそれを使いなさい」
ゆ「貰って良いの？」
ふ「うん。お母さんのはまた新しいのを買うから」
そう言って、お母さんは私の頭をそっと撫でた。
なんだろ。凄く安心する。
もう少し、こうしてたいな.......
________駄目だ、行かなくちゃ。
この前、決めたじゃん。強くなるって。
お母さんと________皆を助けるって。
ゆ「.......あ、私もう行くね。今日友だちと遊ぶ約束してたんだ」
ふ「そうなの？じゃあ行ってきなさい。暗くなる前に帰るのよ？」
ゆ「うん！」
さっと扉を開け、１回お母さんに手を振り、１階の正面入り口まで走った。
__________見てて、お母さん。
私、もう少しだけ、強くなるから_______
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミナズキ(プロフ) - 和奈さん» これは第一シリーズから見た方がなんとなく解ると思うので、【妖怪ウォッチ】妖怪ウォッチdazeと検索すればたぶん出る筈です。このシリーズを見てくださりありがとうございます！ (2016年3月6日 22時) (
レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
和奈 - この作品の1から見たいのですが、何と検索すれば出てきますか？ (2016年3月6日 21時) (レス) id: 66e0ba6353 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - アンケートはまだまだ募集中です。どこかご協力下さいませ！ (2016年1月9日 22時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
火車 - ミナズキさん» そう言って頂けて私も嬉しいです…(*^_^*) (2016年1月4日 19時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - 火車さん» いえいえ。アンケートに参加くださりありがとうございます！ (2016年1月4日 17時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミナズキ x他2人 | 作者ホームページ：http://uosv.org/p/ai0613
作成日時：2015年12月15日 21時
