【妖怪ウォッチdaze2】進化と行進【第５章】

161本目〜力の継承〜 ページ14

りゅーくんside



アヤノが、落ちる。友だちが、死ぬ。



お父が居なくなったここで、友だちも居なくなる。


今から手を伸ばしても、この小さな身体を身代わりにしても、多分.......



り「アヤノッ！！」



不思議だ。今なら何でも出来る気がする。

お父の様に水を守って、人間も守る事も........


ガシッ。白く少し大きな手を掴んだ時は、もう地面が間近に迫っていた。



進化なんてどうでもいい。力なんて要らない。


友だちを助けたいんだ________！！



瞬間、頭から滑り落ちた水晶が、淡い蒼の光を放った。それと同時に、不思議な模様も浮かんだ。


(まさか.......)


ずっと前に、お父に我が儘を言った事がある。

早くお父みたいな、強い龍になりたいと。

これを渡されたのは、それを言った直後だった。

時が来れば、お前も立派な龍になれると言って......


もし仮にこれがそうなら、お父は最初から......


万尾獅子じゃないけど、今がそうだ。


時は満ちた________！！


光る水晶に向かって思いっきり手を伸ばし、それを鷲掴みにした。




『よくぞ此処まで登り詰めた！我が息子よ！』



形容し難い音と、蒼色の閃光が放たれた。



あぁ、この力は知ってる。懐かしい水の力だ。



次第にそれは別の物へと変わり、りゅーくんの持つ土の力へと変化した。



これは、お父の力じゃない。自分自身の力だ。








この日、新たなる地の神が誕生した。




水の神だった父の力を受け継ぎ、己の力へと変えた者。




その名は、『龍神』。




誕生の轟きが、谷へ木霊した。



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